ネットショップで効果的にリピーターを増やす8つの方法

ネットショップを利用いただくお客様は「新規顧客」と「リピーター」の2種類に分けることができます。
その名の通り、新規顧客とは初めてショップを利用していただくお客様。そしてリピーターとは、2回、3回と定期的に継続利用していただくお客様のこと。

安定したショップ運営をしていくには、リピーターをいかに増やしていけるかが重要なポイントとなってきます。逆に全くリピーターが生まれないというショップは、商品の質やサービスに何かしらの問題があることが想定されます。

ということで、今回は質の高いリピーターを効果的に増やしていくための方法をご紹介します。

 

1.メールマガジンを送付

お客様に広告・宣伝をするのに、メールマガジンは数ある手法の中でも、極めて反応率の高い手法だと言われています。

メルマガを送付するのは、一度商品を購入されたお客様に対してです。そのお客様も一度はお店の商品なり、雰囲気なり、サービスを気に入って購入いただいたわけですから、リピーターになる見込みは少なからずあります。

メルマガの内容には、人気商品が入荷しました! という情報や、母の日にはこんなプレゼントはいかがでしょうか? といったように、できるだけタイムリーな情報をお届けするようにしましょう。毎日定刻に商品情報を投げつけるだけのような質の低いメルマガでは、逆にお客様が離れてしまいます。

メルマガもただ送ればいいというわけではありません。お客様がメールマガジンを開封してよかったと思わせるような内容を考えることが大切。

そしてメルマガの注意すべき点としては、「初回に購入いただいたお客様に対して、メルマガを送付してよいかどうかの同意を必ず得る」ということ。これは総務省の「特定電子メール法」によるもので、「メルマガ送付の事前同意」や、「配信停止の方法を記載しないといけない」などのルールが、増え続ける迷惑メールへの対策としてきちんと定められているのです。

そのため、メールマガジンをリピーター獲得のための施策として利用したいという方は、しっかりと特定電子メール法について理解した上で送付するようにしましょう。

メールマガジンの上手な利用の仕方は「120%の効果を発揮するメールマガジン活用術」の記事を参考にしてほしい。

 

2.お客様への絵葉書の送付

上の項のメールマガジンと似ていますが、リアルに絵葉書を送るというのも有効な方法。これであれば特定電子メール法には当てはまりませんので、多くのお客様に情報をお伝えすることができます。

実店舗を構えている事業者の方は、いわゆるDM(ダイレクトメール)を送付しているところも多いですよね。そのDMはネットショップではやってはいけないなんてことありません。

とは言っても、やはりDMも広告の一種であり、受け取る側としても、できれば受け取りたくないもの。そのためどのような構成のDMにするかはしっかりと考える必要があります。

例えば、以前購入いただいた商品に対して「○○様、以前購入いただいた○○の、その後の調子はいかがでしょうか。不具合など起きていないでしょうか?」といった一言を添えるだけでも、お客様のことをしっかりと考えているショップだと伝わり、お客様は嬉しいものです。

絵が上手なオーナー様であれば、言葉にプラスして絵を描いて、絵葉書とすることで、より気持ちがこもったDMをつくることも効果的。

お客様に絵葉書を送る際には、しっかりと手の込んだDMで、お客様思いのショップであることが伝わるようにしましょう。

 

3.ポイント制度の導入

ポイント制度の導入も、リピーター顧客を増やす上での有効な施策の一つ。

ポイントを付与するタイミングはいつでも構いませんが、購入するたびにポイントが貯まれば、またこのお店で購入しようと思いますよね。一番多いのは購入金額の1%が、次回のお買い物時に使用できるショップポイントとなるというものでしょうか。

ポイントを貯めたり使うことにおいては、男性よりも女性の方が積極的ですので、ターゲットを女性に絞っているショップではより効果的に利用いただける施策となるかもしれません。実際財布の中に入れているポイントカードの枚数も、男性が1~3枚というのが最も多い割合という結果に対し、女性は4~6枚持っている割合が最も多いという調査報告もされているようです。

またポイント制度を導入することによって、ポイント2倍キャンペーンなどの、イベント開催にも使えます。
ちなみに「新規ユーザー登録のお客様に限り、○○ポイントを初回購入時に使えます」とすると、新規顧客の獲得に効果的。

ポイント制度は、ショップ運営をしていく上でさまざまな場面で使える万能タイプの施策です。

 

4.おまけをつける

同じ商品を購入するときに、おまけのついてくるA商店と、商品だけが届くB商店があるとすれば、販売価格が同じであればおまけのついてくるA商店でお買い物したくなりますよね。

もしA商店の方が高かったとしても、ショップオリジナルの市場には出回らないようなおまけだったとしたら、B商店よりもA商店を選んでくれるかもしれません。

またおまけ自体を主として考えてみるのもあり。
よく500mlのペットボトルの飲み物に、おまけのおもちゃが付いてくることありますよね。ペプシコーラのおまけについてくるペプシマンや、ドラゴンクエストのキャラクターを集めた方も多いのではないでしょうか。

おまけには収集欲を刺激する効果があります。これは女性よりも男性の方が強いと言われていますが、ついついコレクションしたくなる、だからリピートして同じ商品を購入するということがあります。

そういった意味でも、おまけ付き商品はリピーター獲得のために効果的な手段。

 

5.商品発送時に御礼状を添える

初めてショップをご利用いただいたお客様がリピーターになってくれるかどうかは、初めてお店と接触する、初回購入時の対応が大事。そこでお客様に悪い印象を与えてしまえば、二度と店舗を利用してくれることはないでしょう。

では、どうすればショップに対して良いイメージを与えることができるのか…商品の梱包時に、直筆の御礼状を添えてみてはいかがでしょうか。

「この度は数あるショップの中から当店をお選びいただきましてありがとうございました。○○の商品が○○様の生活をより豊かなものにしてくれることを願っております」といった内容や「この度お買い上げいただいたお品の効率的な使い方」と称して、ワンポイントアドバイスを添えておくのもありです。

そして直筆という点も、お客様にとってはしっかりと心がこもった対応であることが伝わるポイントになります。
ネット通販は顔の合わせることのない商売ですから、こうした店主の気遣いや心遣いを感じられるショップというのは、お気に入りショップの中に加えたくなります。

御礼状やおまけなどの他にも、リピート購入を促すために商品と同梱しておきたいアイテムについては「リピート購入を狙うための商品発送時に同梱したい7つのもの」の記事も参考にしてほしい。

 

6.固定客には特典を用意

ショップの利用をリピートしてもらいたいならば、2回目の購入以降はよりお得になる特典を用意しておくのも効果的。そして利用頻度が高いコアなお客様ほど、特典内容を充実させるというのもよいでしょう。

実社会でもメンバーズカードのような方式で、お店の利用回数に応じてカードのグレードが上がっていき、カードランクによって商品の割引率が高まっていくシステムありますよね。そのようなお店では、お客様心理としても「このお店に通えば通うほどお得になるのだから、なにかあれば優先的にこのお店を利用しよう」と思うはず。

ネットショップでも、ユーザー登録をすることで利用回数に応じてどんどんお得なサービスを受けられるシステムを用意しよう。
何度もショップを利用してくれる固定客は貴重なお客様ですので、他の店舗に浮気されないように、しっかりとひいきして特別感を感じてもらうことが大切。

ヘビーユーザーをひいきにする施策は「固定客は徹底的にひいきして他店舗への浮気を回避せよ」の記事も参考にしてほしい。

 

7.SNSでお客様との距離を近くに

2010年代に入ってからソーシャルメディアが普及してきました。ネットショップであっても、各種SNSは積極的に利用していきましょう。

一度ショップを利用いただいたお客様には、出荷完了のメールと併せてSNSの案内もしておいた方がよいでしょう。「商品についての最新情報や、お得な情報を受け取るには、当店のSNSもチェックしてください」のように。
(もちろんショップ側がSNS運用をしていることが前提ですので、SNSのアカウントを持っていない方はすぐに取得しましょう。)

SNSではこまめに人気商品の入荷情報や、こんな使い方ができますなどの情報を発信していくようにしましょう。実店舗とは違いネットショップのお客様は気ままなものですので、どこで購入したかなんてすぐに忘れてしまいます。

だから一度でも接点ができたお客様は、心理的な距離を遠ざけることなく、しっかりと密に触れ合っておくようにしましょう。お客様としても日常で接するポイントが多いショップを利用しようという心理的な働きが生まれます。

SNSアカウントを今から取得するという方は、こちらの「ECサイトの販促には無料で使える6つのSNSをフル活用しよう」の記事も併せてご覧ください。

 

8.メディア運用でファンの増加

そして最後が自社でメディア運用を行い、ショップのファンをたくさんつくること。
はっきりいってファンはショップ運営にとって、最強の味方になってくれます。そして安定したショップ運営を続けていくことにもつながる。

芸能人のファンだって、なりふり構わずに全国追っかけしている方いますよね。人は好きなものには夢中になってしまうもので、周りのこともあまり見えなくなるもの。

ショップの場合には、ブログのような類のもので大丈夫ですので、ファンとつながれる、接点を持てるような媒体を用意します。その自社メディアにて、ショップで取り扱っている商品の紹介や人気の動向を記事にして公開していきます。

コツコツ続けていれば、次の配信を楽しみにしてくれるファンが必ずできます。そしてそのファンがショップに流れてお客様となってくれます。

自社運用だからこそ発信できる情報を増やしていくことで、継続的にお店を利用いただくリピーターを増やしていけるところが、メディア運用の優れているところ。

メディア化の基本は「ECサイト(ネットショップ)がメディア化を進める6つの理由」の記事を参考にしてほしい。

 

おわりに

リピーターを増やすということは、初回購入時の顧客満足度を高め、その後のアフターフォローをいかに丁寧にするかということに尽きます。

1990年代のネット通販環境であれば、ショップの数も少なかったため、お客様としてもリピーターとならざるを得なかった状況もありましたが、現代においてはお客様がショップを選ぶ時代。
リピーターをつくるということは、新規のお客様を捕まえるよりも難しいことです。

だからこそ、リピーターの多いショップ = しっかりと目的意識をもって戦略が考えられているショップとも言えます。今後はますますEC事業者同士での顧客の奪い合いが過熱してきますので、より多くのリピーターを確保して離さないための策を講じていきましょう。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!