御社のネットショップはお客様にとって使いづらい・分かりにくいものになっていないだろうか。商品説明が読みにくかったり、決済完了までのステップが分かりにくいと、お客様の”買う気”を減少させ、コンバージョン率も下がってしまう。対面での接客ができないネットショップだからこそ、よりお客様にとって使いやすい、分かりやすいものにしていかなければならない。
そのためにはショップオーナーの目線ではなく、常にお客様目線で考えていくことが大事。ユーザビリティの高くなるネットショップにしていくための施策について、ご説明していく。
商品ページの施策
商品ページはお客様が商品の購入を決めるページであり、商品名で検索してきたユーザーにとっては一番最初に辿り着くページになることも多いので、よりお客様思いのページに作りこんでいく必要がある。
カートボタンを目立たせる
カートボタンはとにかく目立たせよう。その商品が欲しくても、どこにカートボタンが付いているのか分からなければ困ってしまう。商品価格を表示している下や横に設置するのがベター。
たまにカートシステムを設置しておらず「商品をお求めの際はメールやお電話でご連絡ください」としているウェブサイトを見かけることがあるが、カートボタンを設置するだけでもコンバージョンは飛躍的に上がるので、是非設置してほしい。
目立たせ方
ボタンの目立たせ方については以下にあげるポイントを意識するとよい。
- 大きくする
- 周りとは違う色を使う
- 少し傾ける
- 特徴的な形にする
全てを取り入れる必要はないが、少し大きめにして、周りとは違う色使いにすることで、パッと見でもカートボタンを認識できるようになる。
専門的な用語は使わない
商品説明の文章に専門的な用語を使いすぎるのはNGだ。お客様の知識レベルには幅があるので、専門的な言葉を多用しすぎると、お客様の層を自ら絞ってしまうことにもなりかねない。
特に横文字系は要注意。難しい言葉を優しく説明するのがお客様思いのショップであり、専門的な用語はできるだけ一般的な言葉に置きかえるようにしたい。
画像は大きくする(ズームできる)
商品写真があまりにも小さいと、それがどのような商品なのか把握しづらくなる。ましてや近年ではモバイルファーストの流れが加速しており、スマートフォンの小さい画面ではより商品写真も見づらくなる。
お客様としてもお金を払うわけだから、購入前にはしっかりと商品写真の確認をしたい。もしレイアウトの構成上、どうしても商品写真を大きくしたくないのであれば、ズーム機能や画像を拡大表示できるライトボックスと呼ばれる機能を取り入れるようにしたい。
サイト設計の施策
お客様にとって使いやすいショップにするなら、使い勝手のよいシステムを設計していくことも重要になる。できればECサイトを構築する前、サイト設計を行う段階で意識してほしい。
商品ページの階層を深くしすぎない
ウェブサイトは階層が深くなればなるほど、下層のページを見つけづらくなる。
ネットショップを階層化すると[TOPページ]-[カテゴリ一覧]-[商品ページ]といったように、商品ページは最上部のTOPページから3階層目にあることが一般的。特集ページを挟んだ場合でも[TOPページ]-[特集ページ]-[商品ページ]となる。
商品ページが4階層目以降にある場合は、お客様がお目当ての商品を見つけられずに離脱している可能性もある。もし階層を深くしすぎているなら、サイト構成を見直すべきである。
ナビゲーションメニューをつける
ナビゲーションメニューとは下図のようなもの。
もはや今のECサイトでは当たり前だが、ナビゲーションメニューの設置は絶対である。サイトの上部や左側にカテゴリや特定商取引ページへのナビゲーションリンクを付けておくことで、どのページにいてもページ間の遷移が容易になる。
商品数が多い場合はカテゴリを細分化
商品数が多くなればなるほど、カテゴリを細分化しておくとよい。
商品ジャンルに[食器]という項目があったとして、その中に数百個もの商品が含まれていたら、食器の中でも和食器を探しているお客様にとってはお目当ての商品を探すのが大変になってしまう。
[食器]という大項目は残しておきつつも、[和食器][洋食器][カトラリー]といった中項目や[グラタン皿][ココット][どんぶり]などの小項目を用意しておくと、商品を探しやすくなる。
トップページの施策
ECサイトの顔ともいえるトップページ。初めてショップに訪問するユーザーはトップページを確認することが多いため、サイトトップにも使いやすくなる施策を用意しておくとよい。
初訪問者専用ページの設置
トップページに「初めて当サイトをご利用になる方はこちらのページをご覧ください」というリンクを見ることがあると思う。こうした初訪問者専用のページがあると、ショップを初めて利用する方にとっては有り難い。
そのページでは送料やお届けまでの日時といった基本的なことから、会員制度やポイントシステムなどショップ独自の制度について説明することで、分かりやすいショップとなる。
初訪問者専用ページについては「ショップ概要ページを利用して初訪問ユーザーの不安を解消しよう」も参考にしてほしい。
カートシステムの施策
商品をカートに入れてから決済を完了させるまでのカートシステムも重要だ。「損失を防ぐ!カゴ落ち率を改善するための13個の対策」でも説明しているが、カゴ落ち率は世界で平均すると70%という調査結果も報告されている。
使いやすいカートシステムにしていくことも、売上げを上げるために有効な施策である。
ナビゲーションを付ける
カートシステムのナビゲーションとは下図のようなもの。
※下図はBASE標準のナビゲーション
これがあるだけで、あとどのくらいで決済が完了するのか、決済完了までの手間を伝えることができ、お客様にとって優しいシステムとなる。
決済ステップは短く
ナビゲーションのステップは短くなればなるほどコンバージョンに至りやすくなる。決済までの時間を短くすることで、お客様の気の迷いを抑えることにもつながるのである。
またラッピングの有無などお客様にとって必要のない入力項目は隠しておくことも、使い勝手を良くするための施策として効果的。
おわりに 使いやすいサイトはコンバージョン率が高くなる
お客様にとって使いやすい・分かりやすいサイトは、コンバージョン率の向上にもつながる。ショップオーナーがやりたいことを実現していくことも大事だが、果たしてその機能を付けたことで、お客様にとって使いにくいサイトになっていないだろうか、という点も意識してほしい。
【著者からの一言】
鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-
当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!
ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!