リピート購入を狙うための商品発送時に同梱したい7つのもの

お客様から注文が入り、在庫の中から商品を探して発送する。
これは自然なイーコマースの流れだが、商品発送時にただ段ボールに商品を梱包して送付しているだけではないだろうか? もしそうならリピート顧客を獲得するための機会を損失しているかもしれない。

ネットショップなら商品発送時の対応にも気を配ることで、一層お客様の満足度を高めることができ、固定客の獲得につながる。ということで、リピーターを増やしていくための施策として、商品と同梱したいアイテムをご説明していこう。

 

手紙(メッセージカード)

お客様の立場になって考えたときに、商品が手元に届いて中を開けたら、ショップからの感謝メッセージが入っていたら嬉しくないだろうか? お客様としては自分に必要なものを購入しただけかもしれないが、それでも「当店をご利用いただきましてありがとうございます」などの感謝の言葉を受け取ると嬉しい気持ちになる。

 

直筆の手紙

一番良いのは直筆の手紙だ。
直筆というだけで手間や心配りを感じ取ることができる。文章量においては長ければ長いほどよいが、全ての顧客に直筆の手紙を用意するのは大変だと思う。だからお客様の質によって対応は変えていけばよい。

例えば新規顧客だけに直筆メッセージを用意するとか、頻繁にショップを利用してくれるヘビーユーザーには時間をかけて手紙をしたためるなど、対応を切り分けていく。

 

絵葉書

もう少し手間をかけるのなら、絵葉書を用意するのもありだ。春には桜の木を描いたり、秋には紅葉を描いたりと、季節柄に合わせて内容を変えることで、受け取る側も今月はどんな絵葉書が届くのかなと、楽しみが増える。

絵心のあるスタッフが在籍しているなら、絵葉書にもチャレンジしてみよう。

 

メッセージカード

手紙や絵葉書を用意するほど手間をかけたくないならば、名刺サイズのカードでもよい。そこに一言「この商品がお客様の生活をより豊かにさせることを願っております。また当店をご利用ください。」など書いておくだけ、お客様が抱くショップに対する印象は確実によくなる。

 

メッセージプリント

最も手間のかからない手段としては、固定のメッセージをA4やB5サイズの用紙にプリントアウトして用意しておくこと。それを納品書などと一緒に差し込んでおこう。

 

おまけ(試供品)

ご注文の商品に加え、ショップの気持ちとしておまけを同梱しておく。お客様としても思いもよらぬサプライズとなり、印象に残るショップとして認識されやすい。

 

試供品を同梱

おまけを付けると言っても、よりリピートに結びつきやすいアイテムは、ショップで取り扱っている商品の試供品だ。もしお客様に試供品を気に入ってもらえれば、またそのショップで購入しようと思うだろう。

お客様心理としても気になる商品があるんだけど、どんなものか分からないため購入することを躊躇していることはよくある。そうしたときに試供品を送り、実際に試してもらうことで、購入する動機を与えてあげるのだ。

そしてリピート注文が入ったら、前回送付した試供品とは別の試供品を同梱して、さらにリピート注文を狙っていく。そのために注文情報を管理していく上で、どのような試供品を同梱したかもデータとして保持しておこう。

 

 

コレクションできるアイテム

よくコンビニで販売しているペットボトル飲料に、アニメのキャラクターだったり、ミニチュアグッズだったり、おまけが付いてくることあるだろう。そしておまけの種類にはいくつかのバリエーションが用意されていることがほとんどだと思う。

何気なしに購入したドリンクにおまけが付いていて、次第におまけの種類を揃えるために商品を購入した経験はないだろうか? いつの間にか目的が”おまけ”へとすり替わっており、メーカー側もお客様の収集欲を刺激することを目的としているのだ。

コレクションしたいという収集欲は、一般的に男性の方が強いと言われており、男性をターゲットとしたショップであれば有効に使える施策かもしれない。

 

実店舗の情報

これは実店舗をお持ちの方に使える手法。

ネットショップであれば商品発送のために顧客情報を取得するが、そこにはもちろん住所情報が含まれている。その住所を確認し、店舗がある場所と近ければ実店舗の場所が記載されているショップカードを同梱しよう。

送料がかからないからとか、近くまで来たから寄ってみたなど、何かしらの理由で実店舗を利用してくれる可能性が高くなる。

 

クーポンコード

クーポン機能を設置しているネットショップであることが前提だが、次回の商品購入時に利用できるクーポンコードを記載した紙を送付するのもよい。

 

クジ形式

固定額を割り引くのか、金額に対するパーセンテージで割り引くのかはショップの方針で決めておけばよいが、その割引の幅をクジ形式で決めるというのも、お客様を楽しませる施策となる。

手の込んだ仕組みにしたいなら、スクラッチ形式にして削ることでクーポンコードが現れる仕組みも面白い。簡易的に行うのであれば、あらかじめショップ側で抽選を行い、割引率の異なるクーポンコードを差し込んでおこう。(抽選によって割引率の違いが発生することは、商品発送時のメールやウェブサイトに記載しておく)

 

期限を設けよう

クーポンには利用期限を設けておくことも忘れてはいけない。

期限があると失効してしまい利用者が減るのでは…とお考えかもしれないが、期限が無いといつでも使えるという安心感から、結局利用せずに放置してしまうこともある。そしてそのうちクーポンを貰ったこと自体忘れてしまう。

もし利用期限が設けられていれば、その期間内に使わないと損してしまうという心理が働き、結果としてリピート注文につながりやすくなる。これは心理学でも証明されているのだが、人間は損することに対して非常に敏感なのだ。

 

キャンペーン情報

ショップのキャンペーン情報をお知らせする用紙を用意して、商品と同梱しておく。
例えば「3月1日~最大50%オフのバーゲンセール始めます!」といったセール情報から、「2週間限定の送料無料対応」などの情報をお知らせして、通常よりもお得にお買い物ができる期間を認知させる。

あまりにも先のキャンペーン情報だと忘れ去られてしまうので、直近のキャンペーンのみに限定するか、年間のキャンペーン一覧表を送付する。

キャンペーンの立案については「ネットショップの賑わい感を演出するキャンペーン企画9選」を参考にしてほしい。

 

リピーターだけが利用できる裏キャンペーン

先にご説明したクーポン情報と似ているが、一度でも商品を購入したお客様だけが知ることのできる裏キャンペーンを用意するのも、お客様に特別感を抱いてもらう施策となる。

決して表には公言しない裏キャンペーンで、固定客をよりひいきに扱おう。

 

ニュースレター

店舗のニュースレターを商品と一緒に送ることで、認知度を高めることもできるし、ショップの空気感をお伝えできる。ニュースレターを受け取ったお客様に「このお店好きだな」と思ってもらうことができたら、再度利用してくれる確率は高くなる。

 

スタッフ情報を記載

店舗の空気感をお伝えするニュースレターには、スタッフ情報を前面に出すことで、お客様にもどのような人間が裏で作業しているのかを伝えられることができ、より親近感が増して心の距離が近くなる。

スタッフの自己紹介から最近嬉しかった出来事まで、スタッフの”人となり”が分かる内容が望ましい。

 

毎月内容は切り替える

毎回同じ内容では飽きられてしまうので、できればニュースレターの内容は月ごとに更新していきたい。
コンテンツの内容については、季節柄で開催するイベントについてや、スタッフのおすすめ商品ランキングなど、どうしたらお客様に楽しんでもらえる内容になるのか、どうしたらお店のコンセプトや空気感を伝えられるのかを意識しよう。

季節柄のイベントの立案は「ネットショップの集客で使える季節柄のイベントごと12ヵ月分」を参考にしてほしい。

 

商品の使い方の提案

商品だけをポンと送付するだけでなく、その商品の使い方の提案メモなども同梱するとよい。

食材関係を扱っているなら当該商品を利用した料理レシピでもよいし、デザート関係なら一緒に楽しみたい紅茶や緑茶の情報など。アパレルであればコーディネート例、雑貨などの小物ならどのようなシーンで効果を発揮するのかといった情報をお伝えすることで、ショップに対する好感度はかなり上昇する。

お客様にとってためになる情報をお届けし、商品プラスアルファのネットショップという認識をしてもらおう。

 

おわりに サプライズを演出

ネット通販を利用したときは、お客様は商品が届くまで”まだかまだか”と到着を待ちわびているものだ。そして商品と対面する際には、お客様の感情が最も高ぶる瞬間になる。

その瞬間に商品に加えて、その他の貰って嬉しい何かを用意しておくことで、お客様の印象にも残りやすいし、また利用したいと思うショップとなる。リピーターを増やしていくには、こうしたサプライズ的演出を大切にしていこう。


【著者からの一言】

profile

鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!