ECサイトのカラム数はショップの特性によって変えるべき

ECサイトに限らずだが、ウェブサイトを構築するときには基本的な設計思想にカラム数という概念がある。カラムとは列のことであり、メディアサイトなどでは左側に記事本文があり、右側にカテゴリや人気記事ランキング、広告などが配置されていることが多く(当サイトのECメディアでは逆だが…)この場合は2列構成になっているため2カラムと言う。

ECサイトでも2カラムで作られていることが圧倒的に多いのだが、皆がやっているからと盲目的に2カラムにするのはよろしくない。ショップの特性に応じて、そのショップにあったカラム数を決めていくことが大事である。

今回はカラム数ごとの特徴について、ご説明していく。

 

1カラム

商品数が少ないとき

商品数が少ない場合はカテゴリを用意する必要性が低くなる。そのため本来ならサイドバーに配置するカテゴリのスペースをつぶして、商品写真を前面に表示することで、より魅力を伝えやすくなる。お客様としても小さい写真で商品を確認するよりも、画面いっぱいに広がった画像の方が細かい部分まで確認できて嬉しい。

商品数が少ないショップは1カラムで勝負して、ナビゲーションメニューは上部に持ってくるようにしよう。

 

シンプルでスタイリッシュな雰囲気にしたいなら

1カラムの見せ方にすることで、余分な情報が入ってこなくなり、シンプルでスタイリッシュな雰囲気を演出できる。企業のコーポレートサイトでも従来の2カラムから1カラムの構成でリニューアルすることが増えており、現在のトレンドともいえる。

情報量の多いECサイトは1カラムには不向きとも言われているが、逆に1カラムにすることで、商品情報だけに集中してもらえる効果を得ることもできる。ただし必ずしも1カラムが良いというわけでもないので、ユーザーの反応を見るなど検証を重ねながら切り替えていこう。

 

モバイルに最適化したいとき

ECサイトもモバイルファーストの対応を意識する時代に」でもご説明しているように、近年ではスマートフォンやタブレットといったモバイル端末を利用してお買い物することも多くなった。

そうするとスマホの小さい画面では、カラム数が多いとごちゃごちゃした印象になり、使い勝手の悪いサイトとなる。もしスマホでの使い勝手を優先するなら、1カラムレイアウトにすることも検討したい。

 

2カラム

王道スタイル

2カラムレイアウトはネットショップの王道スタイルであり、現在でも2カラムを取り入れているサイトが最も多いのも事実。

ユーザーが他の商品も確認したいなと思えば、サイドバーに設置されているカテゴリ一覧や、そのショップの売れ筋ランキングなどを確認することができ、非常に使い勝手がいい。特にそのショップを初めて利用する新規顧客にとっては、たくさんの情報が目に入ってくることで、その店の特徴を理解することが容易になる。

 

左側にサイドバーが主流

数ある2カラムECサイトの中でも、左側にサイドバーを設け、右側に商品情報を載せることが一般的。

それはなぜかと言うと、人はウェブサイトを閲覧するときには、Z字やF字の流れで視線が動くとも言われており、左側にあるコンテンツほど、ユーザーへの訴求効果が高いとされている。そのため「こんな商品もありますよ」や「こんな商品が売れてますよ」ということをアピールして回遊率を高めたいECサイトにとっては、左サイドバーが理想的なのだ。

逆にブログ系ウェブサイトなどは、まずは書いた記事を読んでもらうことに集中してもらいたいため、右サイドバーにしていることが圧倒的に多い。

 

3カラム

メディア系ECサイトなら

3カラムは最も多くの情報を詰め込むことができるレイアウト。通常のサイト設計ではそれほど用いられることは多くないが、ポータルサイトやメディアサイトではよく利用されている。

ネット通販という領域においては、情報量が多くなりすぎてしまい、ユーザーの利便性を悪化させる。はっきり言ってお買い物を主体としたサイトには向いていない。しかしメディアの延長線上で物販を行うなら話は別だ。

近年ではメディアコマースという概念も誕生しており、必ずしも物販がメインコンテンツではなく、場合によっては物販はメディアサイトの中の一部のコンテンツという立ち位置になることもある。大手キュレーションメディアでは、そうした手法を利用してメディア型ECを展開している。

 

おわりに 基本は2カラムだが1カラムも検討したい

ネットショップのカラム数という話では、やはり王道は2カラムスタイルが無難である。しかし商品数が少なかったり、スマホユーザーを意識するなら、1カラムで商品情報を前面に出していくことが、より売上げにつながる見せ方になることもある。

自社で取り扱う商品数や、ユーザー層を把握したうえで、最適なカラム数を見極めていってほしい。


【著者からの一言】

profile

鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!