専門書はもう不要!?ネットショップのノウハウはネットで学べ

「ネットショップの運営は簡単だ」ということが言われているが、SEO対策、売れる仕組みづくり、アクセス解析などのノウハウは必要だ。こうした知識を持っていないと、間違った方向に力を使ってしまい、いくら時間をかけても売上げは伸びていかないだろう。

それにネットショップの成長ステージやユーザー層によっても求められる施策は異なる。その時々で最適な対策を打っていかなければならない。

ショップオーナーはこうした状況判断力ももちろん大事なのだが、前提として、ある程度ネットショップを成功に導くためのセオリーを身につけておかなければ、正しい判断は下せない。かつてそうした運営のノウハウは、専門書で学ぶことが普通だったかもしれないが、今の時代はネットでノウハウを学ぶことが可能だ。

 

運営ノウハウをネットで学ぶことについて

インターネットが発達して、なにか疑問があればネット検索することで、すぐに答えが見つかるようになった。スマートフォンの普及で、ますます「分からないことがある → Google検索」という流れが加速した。

かつては本棚まで専門書を取りに行き、自分の知りたいことが記載されている該当のページを探すのが普通だった。専門書が手元になく、知識のある人が近くにいない場合は、もはやお手上げ状態だ。

そうした時代に比べると、非常に便利になった現代だが、インターネットは誰でも許可なく情報を発信できる世界。かつては根拠不明な信頼するに値しない低品質な情報が公開されていることもあった。しかし近年になって良質な情報が増えてきた。

 

コンテンツマーケティングの普及に伴い、情報が増加

確かによくよく考えてみると、専門書と同じぐらい質の高い情報を、インターネットで無償で公開するのは変な話だ。昔から専門的な知識、ノウハウ、How to情報などは、情報商材としての価値を持ち、書籍化すればそれだけで収益を得ることができる。

そうした情報を無償で公開するようになったのは、コンテンツマーケティングというマーケティング手法が一般化したことが大きい。

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報を公開することで、見込み客を獲得する手法のこと。弊社でも当サイトでネットショップの始め方や運営テクニックなど、専門書にも引けを取らない情報を提供しているが、これも集客に結び付けるためだ。

当サイトのECメディアというオウンドメディアを展開することで、ネットショップについて調べ物をしてきたユーザーを捕まえることができるようになる。メディア展開の利点の一つには、広告費を使うことなく、見込み客を集めることができる効果があるのだ。

こうした背景があり、ネット上にはあらゆる情報が溢れるようになった。

 

質の高い記事が多くなった

オウンドメディアを展開することで、見込み客との接点を持つことができることは分かったが、もしその情報が何の役に立たないものだったらどうだろうか。SEO関連の話題で「検索順位を上げるたった一つの方法」というタイトルの記事で、その内容が「いろんなサイトを調べて、努力すればいい」という内容だったら、もはや時間をかけて記事を読んでくれたユーザーへの裏切り行為だ。

ユーザーもがっかりしてしまい、この企業のサービスを利用したいと思うことはないだろう。

一昔前なら社外秘とするようなノウハウを公開することで、ユーザーからの信頼を獲得し「この会社だったら信用できるし、サービスを受けてみようかな」と思ってもらえるようになる。

こうしたコンテンツマーケティングの流れが加速しており、インターネット上には質の高い記事が溢れている。ユーザーはそれを有効に扱うべきである。

 

ネットで情報検索するときに気を付けること

インターネットを利用して調べ物をすることの利点についてはご理解いただけただろうが、一つだけ気を付けてほしいことがある。それは一つのウェブサイトから得た情報だけを、鵜呑みにしないことである。

先にも説明したが、ネットは誰でも平等に発信できる世界。専門的な知識を必要とする医療に関する記事でも、大学教授であっても一般人であっても同じように発言ができるのだ。

コンテンツの質が高くなってきたとはいえ、その質はバラバラだ。もしかしたら的外れな意見を発信しているメディアもあるかもしれない。そうした低品質な記事に惑わされないためにも、ユーザーとしては以下のポイントに気を付けてほしい。

 

「検索順位上位 = 信用できる記事」ではない

検索順位が高いからと言って、信用できる記事とは限らない。検索順位を決めるのは人ではなく、ロボットだ。検索順位決定のアルゴリズムは公開されてはいないが、本当に読者にとって有益な記事かどうかはロボットには判定できない。

確かに年々検索エンジンの精度は上がってきており、2チャンネル系や質の低いまとめサイトが検索上位を独占することもなくなってきた。しかし検索エンジンは「このページは読者にとって有益なことが書かれているだろう」という推測の域を超えることはできない。

上位表示されている記事を疑うこともなく信じるのではなく、他のサイトもセカンドオピニオンのように併せて確認するようにしたい。

 

リスティング広告には要注意

近年はインターネットユーザーのネットリテラシーも高くなってきており、検索結果の最上部や右側に表示されているサイトは、広告によって順位を無理やり押し上げているサイトであることが認知されるようになってきた。

つまり広告によって上位表示されているページは、純粋にそのサイトの内容を評価されているわけではないので、より一層注意深く内容を審議することが必要だ。

 

誰が書いたのかを確認する

その道の専門家が書いた記事だから正しく、名もない一般人が書いたものは信憑性に欠ける、と一概に決めつけられるわけでもないが「誰が書いたのか」ということも、その記事の信用度を測る要素としておくのもよい。

そのメディアは個人の所有物なのか、企業が運営しているものなのか。企業が運営しているならその企業の事業内容はどういったものか、といったこともチェックしておきたい。

 

雑多ブログなのか専門ブログなのか

企業のオウンドメディアなら、その企業が得意とするジャンルで勝負しているが、ブロガーと呼ばれる人たちが運営している個人運営のブログメディアは、特定ジャンルに絞らずに、雑多なジャンルでブログ運営をしていることが多い。

そうしたときにも、やはり専門的なジャンルに特化したメディアの方が、信頼度は高くなる。もちろん先程から言っているように、雑多ブログだからといって全く信用できないというわけではないが、専門的ブログの場合は、その分野に精通している人間でないと記事が書けないのも事実だ。

メディア内のその他の記事も、専門分野に特化した内容になっているかも参考にしよう。

 

情報の鮮度に気を付ける

情報には鮮度という概念がある。ウェブの世界は変化のスピードも速い。「ネットショップの売上げを100倍にするための10の秘訣」という情報があったとしても、それが10年前の情報だったとしたら、もはやその価値はゼロだろう。時代遅れの施策を講じたとしても、時間の無駄だ。

そのためすでに更新がストップしているようなサイトは、敬遠したほうがよいかもしれない。更新が続いており、メディアとしての鮮度が保たれていることが望ましい。

 

ノウハウを学べるサイト

ネットショップの運営ノウハウを学べるサイトも増えてきた。手前味噌ではあるが、当サイトのECメディアでも、ネットショップの開業・運用テクニック・運用補助ツール・ECサイトのメディア化という観点で、ネットショップの立ち上げから効率的な運用などを学べるメディアとなっている。

弊社がメディア運用をする上で順守していることは「情報の出し惜しみはしない」ということ。ネットショップのコンサルやシステム設計などで蓄積した知識を隠すことなく公開しているので、全てのショップオーナーのためになれば幸いである。また他の企業が展開するメディアなら、以下に挙げるサイトがおすすめだ。

 

BASE U

無料開業サービスのBASEを提供している、BASE株式会社が展開している「BASE U」。

サイト名の「U」は「University(大学)」の略とのことで、ネットショップの開業から運営・集客のノウハウを学ぶことができる。特にBASE内で利用できる決済方法やオプションの説明も豊富で、BASEユーザーなら必見のメディアだ。

 

howtobuype

残念ながら現在は更新が止まっているようだが、情報の密度としては非常に高い「howtobuype」。

マーケティングやソーシャルメディアだけでなく、ECというカテゴリーがあり、今どきのEC運営の参考になる良質な記事がそろっている。初心者向けと言うよりも、中級・上級者向けの内容になっている。

 

その他のネットショップ系メディアは、こちらの「ネットショップ担当者ならチェックしておきたいウェブサイト13選」にまとめているので、是非参考にしてほしい。

 

おわりに 複数のサイトを活用する

インターネット上に溢れている情報を閲覧することは無料なのだから、利用しない手はない。それに近年では良質な情報が溢れている。専門書籍に頼ることは悪いことではないが、こうした情報もどんどん利用していくとよい。

お気に入りのメディアを見つけたら、ブックマークして日頃から更新記事をチェックするようにしてほしい。変化のスピードが速いウェブ業界だからこそ、常に最新の情報を手に入れるようにして、上手なネットショップ運営を行っていこう。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!