SEO対策は検索順位にばかり目を向けずに成果に注目すべし

ネットショップでも集客のための必須課題となるのがSEO対策。特にモール系ではなく独自ドメインのショップを運営している事業者にとっては、SEOが弱いとショップの売上げも比例して落ちてしまう。自然検索から流入してくるお客様を捕まえられないことは、死活問題と言ってもよいほどである。

こうした事情からSEO対策に躍起になっている事業者は多いだろうが、しっかりとその効果を計測できているだろうか? もしかして検索順位だけに注目していないだろうか? 今回はSEO対策で本当に大事なのは検索順位でなく成果だという話をしていく。

 

重要なのは検索順位ではない

まずSEO対策を気にかけているウェブ担当者が、一番重要視している要素が検索順位だということが問題である。もちろん全てのウェブ担当者がそうではないが、多くの場合は「SEO対策は検索順位を上げること」という意識を持っている。

SEOは日本語にすると「検索エンジン最適化」であり、その考えは間違っていないのだが、EC事業のマーケティングという面でSEOを考えるなら、SEO対策を施した先にある結果に焦点を当てて考えるべきである。

つまり健康食品を販売しているEC事業者が、ジャンクフードにまつわるキーワードで検索順位1位を獲得したとしても、少しもショップの売上げには貢献してくれないだろう。売上げに貢献するようなキーワードで上位表示され、しっかりと利益に結び付けることができて初めてSEO対策に成功したと言えるのである。

 

キーワードの競合度も意識する

先の健康食品とジャンクフードの話は極端な例であり、あきらかにキーワードでミスマッチを起こしているが、SEO対策の効果を確認するためにはキーワードの競合度も確認しておきたい。

例えば「健康食品 始める」というキーワードでの月間検索数が100件程度、「健康食品 通販」というキーワードでの月間検索数が1万件程度あったとする。この場合前者のキーワードで1位を獲得するのと、後者のキーワードで10位を獲得するのでは、後者の方が売上に貢献できる可能性が高い。

検索順位は高くなくとも、そのキーワードに対する需要が多ければ、それだけサイトへの流入数も増えることを忘れてはいけない。

 

キーワードの需要はツールで調査する

特定キーワードの月間検索回数がどの程度かは、Googleが提供しているキーワードプランナーというツールで調査することが可能だ。リスティング広告出稿用のグーグルアドワーズのアカウントを取得する必要があるが、アカウントさえ作ってしまえば、誰でも無料で利用できるのは嬉しい。

具体的な使い方については「リスティング広告の基本と効果的な運用方法について」の[リスティング広告のコツ]の章にて記載しているので、確認してほしい。

 

おたからキーワードで上位表示できればラッキー

SEO対策の理想は、売上げにつながりそうなキーワードで、競合しそうなページが少ないキーワードでSEO対策を施すことで、手間をかけることなく上位表示させ、売上にも貢献してくれる。いかにこうした”おたからキーワード”を見つけられるかが、SEO対策を成功に導くための要(かなめ)でもある。

ただし文字で書くのは簡単だが、実践するのはなかなか難しいもの。無数にあるキーワードを分析し、ユーザーの心理を読み、SEOに強いページ作りをしていけるだけのスキルが必要になる。もし自社で運用するのが難しければ、プロに依頼するのも一つの手だ。

 

SEO業者には気を付けるべし

ネットショップを営んでいる事業者で、SEO業者からの営業電話を受けたことがない企業は少ないのではないだろうか。SEO業者が利用するセールストークとしては「○○のキーワードで上位表示を狙えます」というもの。

それだけ聞くと「すごいな、検索順位を上げられるなら試してみようかな」と思うかもしれないが、SEO対策を依頼する前に、しっかりと自店の分析とキーワード需要について考えてほしい。

SEO業者の場合はたいてい検索需要の高いビッグキーワードでの上位表示をすすめてくる。もちろんビッグキーワードでの上位表示は難易度が高く、時間もかかれば費用も高くなってしまう。

はたしてそのキーワードで上位表示することで、SEO対策を依頼する費用を回収できるだけの売上げを上げることが出来るのだろうか、もっと他にも低予算で売上げに貢献してくれるキーワードがあるのではないだろうか…という疑いの気持ちを忘れてはいけない。

真面目にSEO対策に取り組んでいる企業もあるが、中にはブラックな手法でSEO対策を施す企業もあるので、たとえ相手が大手企業だとしても注意してほしい。

 

おわりに SEO対策は成果が出て満足する

SEO対策とは単純に検索順位を上げることではなく、そこから生まれる成果を確認して初めて成功・失敗の評価を与えるべきものである。だからこそ検索順位の上がり下がりに一喜一憂するのではなく、全体を見る目を持つようにしてほしい。

SEO対策は検索エンジンへの理解など、ある程度専門的な知識が必要になるが、業者に依頼することなく、社内で内製化していきたいという事業者は、下記の記事も参考にしてほしい。

 


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!