企業にとっての絶対的な強みはファーストビューで伝えよう

突然だが御社にとっての企業の強みはあるだろうか? ものづくりをしているメーカーにとっては商品そのものかもしれないが、商品力ではなくとも、メーカーとの強いパイプを持っていたり、バイヤーの目利きセンスが高かったりなど。すぐには思いつかない…という企業は、どんな些細なことだっていい。都内の立地の良い場所にあるとか、名物店長がいるとか。

こうした企業の強みはセールスポイントになる。ネットショップの数が増えている現代において、お客様は自分にとって都合の良いお店を選ぶことができるようになった。だからこそ企業の強みをアピールして、お客様にとって都合の良いショップとして選ばれることが大事である。

 

大事なことはファーストビューで伝える

企業が強みとしている、最も重大なセールスポイントは、ファーストビューでユーザーに伝えるべきである。ネットショッピングをしているユーザーは忙しい。クリック一つで複数のECサイトを比較できてしまうので、一つのショップを吟味している時間はそんなにないのである。

だからこそ、サイトにアクセスしてもらった瞬間に最もアピールしたいセールスポイントを伝える。ちなみにファーストビューとは、ページ遷移した後にスクロールをすることなく目に入ってくる情報のこと。一番初めにそのサイトのことを認識するページだ。

もし御社のネットショップが希少なアイテムを扱っているなら、ファーストビューで「世界で限定100個生産の○○を販売中!」と伝えるべきだし、送料無料を打ち出しているなら「日本全国送料無料でお届けします」と伝えよう。ユーザーとしてもファーストビューで「おっこれは!」と思うものがあれば「もう少し見てみようかな」という思考に至りやすくなる。

 

アピールポイントを増やし過ぎない

ポイントの還元率が高かったり、他のショップでは手に入れられないアイテムを取り扱っていたりと、ショップとしてアピールしたいことは決して一つだけではないと思う。ただしファーストビューにあまりにも多くの要素を詰め込み過ぎてしまうと、せっかくのアピールポイントがぼやけてしまい、訴えかける力が弱くなってしまう。

ショップの強みが複数個あったとしても、できれば一つ、二つぐらいに絞って記載しておくことで、インパクトが強くなる。

 

トップページだけを意識してはいけない

一口にファーストビューと言っても、ウェブサイトの場合はトップページだけを意識してはいけない。小説や雑誌なら必ず一番初めに表紙が目に入るだろうが、ウェブサイトの場合は違う。

ネットショップの場合は、検索エンジンを利用することで、ユーザーはいきなり商品ページに辿り着くことがある。むしろトップページよりも末端ページが入り口になることの方が多い。だからファーストビュー対策を行うのはトップページだけではなく、各商品ページにも施しておきたい。

ただしあくまで商品ページのメインとなるコンテンツは商品そのものなので、ファーストビューで商品が見えなくなってしまうのはよろしくない。ショップとしてアピールしたいことは、サイトのヘッダーあたりでアピールしておこう。ヘッダーにはショップ名や運営企業の連絡先を記載していることが多いが、その中に「即日配送できます!」や「一際珍しいアイテム取り揃えています」などの文言も併せて記載する。

 

ファーストビューでユーザーにアピールしたいポイントの一例

送料無料でお届け

ネットショップのお買い物でも、できれば送料なんて払いたくない、少しでも安くお買い物したい、と考えているユーザーには、ファーストビューで送料無料をアピールすることで、自分が探し求めていた条件に合致するお店と認識され、その他にもどのような商品があるかとショップ内を回遊してもらいやすくなる。

また期間限定で送料無料を実施しているなら「○月○日まで送料無料です」のように、期間についても明記しておくとよい。その他にも「○○円以上のお買い上げで送料無料」などアピールになることは積極的に記載しておこう。

 

即日配送できます

緊急時のお客様や、費用は高くなってもいいから1日でも早く商品を手にしたいお客様にとっては、即日配送という要素は購入を決断する上で大きなポイントとなる。その他配送については「海外配送できます」や「返品対応は無償です」などの要素も、状況によってはお客様の心を掴む要素となる。

 

お試しセットの無料送付

「初回利用の方に限りお試しセットを無料で送付しています」という文言も、ファーストビューでユーザーの目に入れておくことで、興味を持ってもらえる可能性が高くなる。長期的な戦略としては、お試しセットで新規顧客を開拓し、リピーターに育て上げることが重要である。

 

ショップの特徴を簡潔に説明

そのショップが何を扱っているのかをすぐに把握できるように「○○の店」といったような、ショップの特徴を記載しておくとよい。例えば観葉植物を扱っているなら「日本中のちょっと珍しい観葉植物を販売中」などのようにテキストを載せておく。

現在のネットショップ戦略としては、中小規模でECサイトを展開するなら、何でも買える店でなく、専門性に特化することでお客様の趣味趣向と親和性を高く保つことが良いとされている。「この店なら自分の探し求めているものがあるかも」という気持ちを引き起こしていくことが大事。

 

これらはあくまで一例であり、決まったルールはない。しっかりと自店を分析し、各ショップで最もアピールすべきことを見つけてほしい。自店の分析という意味では「3C分析・4P・SWOT分析とは?マーケティングに必要な予備知識」の記事も参考にどうぞ。

 

おわりに 初見でインパクトを与えることが大事

どんなに素敵な商品を扱っていたとしても、どれだけサービスの良い接客が自慢だとしても、ネット上を回遊しているユーザーに見てもらわなければ、体験してもらわなければ意味がない。

だからこそ一番最初にショップと接触する瞬間となるファーストビューでインパクトを与えて、ユーザーの興味をそそることが大事になる。自分たちだからこそ提供できる強みを高めて、それを武器として戦略として役立てていこう。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!