ネットショップの市場規模は右肩上がりで成長を続けており、今後も一層市場規模が拡大していくことが予想される。ネットでお買い物をする人も増えれば、ECサイトを展開する事業者の数も増加する。
当記事をご覧のあなたも、企業の新事業としてこれからネットショップ・EC事業を展開していこうとお考えではないだろうか。もしくはサラリーマンを退職して、裸一貫ショップオーナーとしてネットショップを立ち上げようと意気込んでいる方もいるかもしれない。
今回はそんな方のために、ネットショップを始める際に大切な考えと、弊社ができることを併せてご説明していこう。
今のネットショップは計画が必要不可欠
これは当サイト内でも何回も言っていることだが、今のEC業界はネットショップを出店すれば、何もしなくてもお客様が集まり、飛ぶように商品が売れていくことはまずない。
ネット通販をすれば儲かるというのは、今から20年ほど前にネットショップを始めた先駆者たちの話であり、今はEC業界に参入する事業者数も増えており、努力・計画なくして売れるショップをつくることはできない。かつての繁盛店も、新しい変化に順応することができずに閉店を余儀なくされ、EC事業から撤退していったという話は山ほどある。
ただし努力すればよいというわけではなく、その努力も正しい方向に力を入れていかないと、骨折り損のくたびれ儲けのように、頑張っても頑張っても赤字ばかりが増えていくことになっていしまう。だからこそ開業前にはプランを練って、計画性をもって運営していくことが必要不可欠なのである。
お客様となるターゲットを想定する
商売はお客様がいて初めて成立するものである。しかし売れないネットショップのオーナーは、お客様の存在を無視していることが多いので注意。ただ無視するといっても意図的にしているわけではなく、自分のやりたいこと・伝えたいこと、販売方針を過信するあまり、お客様の感情を考慮できていない運営になっている状況をよく見かける。
売れるショップをつくっていくには、ターゲットとなるお客様を想定することが初めの一歩である。
弊社では販売する商品の分析や競合店の調査を行い、まずはその商材を好みそうなターゲットを想定していく作業を行う。例えば20代女性や50代男性といった抽象的な要素だけでなく、趣味や家族構成、年収、休日の過ごし方など、細かい部分までターゲット像を設定していく。
これはマーケティング的には”ペルソナ設定“と呼ばれる手法であり、具体的な仮想ユーザーを作り上げることで、ショップデザインや販売戦略が立てやすくなる。ペルソナ設定の詳細については「ペルソナ設定をしてユーザーの心に響くネットショップを作ろう」を参考にしてほしい。
ショップシステム選び
ネットショップを開業するための手段は一つではない。今は独自のシステムを構築するよりも、ショップシステムやカートシステムをレンタルしてネットショップを開業することの方が一般的だが、レンタルするにもモール系やASP系等、その種類も多岐にわたる。
ネットショップについて知識が少ないと、どのショップシステムを選べばよいのか分からないだろう。なんとなくで選んでしまうと、払わなくてもよい費用や作業を負担してしまうこともありえる。
弊社ではお客様のショップ選びのサポートもしており、オーナー様がどんな機能を実現したいかや、開業後の資金計画などから、最も適切なショップシステムをご提案している。ここを間違えてしまうと開業後になにかと苦労するので、最初のショップ選定は重要だ。
ネットショップサービスについては「ネットショップ開業サービスを徹底比較!無料系からモール系まで」の記事も参考にしてほしい。
月次計画表を立てて見直しを
ネットショップで意識する数字は、コンバージョン率・平均客単価、客数の3つ。これらの数字から売上が算出できる。そして開業前には必ずそれらの数字を目標値として立てた月次計画表を用意してほしい。
最低でも開業から1年間の月々の売上げ目標を立てて、それぞれの数字を意識しながら業務改善を行っていく。ネットショップと言っても、それを運営していくなら経営者である。こうした計画性がないことには繁盛店に育てていくことはできない。経営センスが大事なのは当たり前だが、毎月の状況を分析しながら戦略を立てていく緻密さも兼ね備えていなければならない。
弊社では売上げ計画を起こしたり、月次分析による戦略立案もサービスの一つとして提供している。
運用後のアクセス解析も大事
開業準備の話からは少しそれてしまうが、計画の見直し・改善という意味では、運用開始後のアクセス解析も非常に重要である。アクセ数、PV数、ユーザーの流入経路、人気ページの調査等、アクセス解析ツールを導入することでそれらが分析可能になる。
売上げを伸ばしていくには、先に説明した3つの数字だけではなく、こうした細かい数字にも目を向けていかなければならない。そうした意味で、弊社ではアクセス解析した内容をもとに、月次レポートとして改善提案などもさせていただいている。
新しいマーケティング手法も進んで提案
ウェブの世界はその進歩も早いものである。5年前に新しく登場した施策も、既に過去の代物となっていることも多い。そのため開業時の計画や戦略立案のサポートだけでなく、新しいマーケティング手法も進んで提案させていただいている。
例えばネットショップの接客も今まではユーザーが考えそうなこと、疑問を抱きそうなことを先回りして読み、それに対してサイト内の説明を充実させるのが一般的だったが、今ではオンラインでの接客ができるようにサイト内にチャットツールを埋め込むサービスもある。
さらには集客の手法としても、SEO対策や広告運用だけでなく、SNSやオウンドメディアなどのメディア化対応もここ数年で誕生した概念だ。
こうした知識を豊富に持っているかどうかで、今後の戦略の幅が広がることは間違いない。弊社が当サイトのECメディアでさまざまなノウハウを公開しているのも、”自分たちの学びのために”という意味がある。常に豊富な知識量を蓄えておくことで、常にその時代に合った最適な提案ができるような体制を整えている。
おわりに これからネットショップを始めるなら
ネットショップ運営とは、簡単のように見えて、意外と奥が深いものなのだ。何も考えずにネットショップを始めて、どんどん売上が伸びていくなんてことは、名のある大企業や有名人が運営するショップでない限りありえない。
これから新規事業としてeコマースを始めていくという企業の方や、心機一転ネットショップを始めていくという方は、是非当サイトに掲載している数々の記事を参考にしてほしい。
【著者からの一言】
鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-
当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!
ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!