コンバージョン率の高いECサイトにするための13の施策

ECサイトを運営している方なら、コンバージョン率を意識しないわけにはいきません。
月間にして1万名のお客様がお越しになるショップで、平均客単価が5千円だとしたら、コンバージョン率が1%違うだけで50万円もの売上金額の差が発生してしまいます。

EC事業者の方であれば、自身のショップのコンバージョン率は常に気を配っているかと思います。
ただコンバージョン率の目安は、業種や取扱いの品によって異なりますので、適切な数値を一概に言えるものではありませんが、同じ業界の水準と比較して著しく低い場合、これはもう損失と呼ばざるをえません。

ということで、今回はコンバージョン率を高めるためのHow toをご紹介したいしますので、参考にしてください。

 

コンバージョン率を上げるための13の施策

 

1.問い合わせフォームの記入項目を極力減らす

お客様がお買い物をする上で、大量購入の場合は在庫確認だったり、プレゼント用の品をお選びであれば発送可能日時の確認など、問い合わせフォームを利用される方もいらっしゃいます。

そのような状況で店舗に問い合わせしようと入力フォームを開くと、そこには住所情報や電話番号、FAX番号までぎっしりと入力項目が並んでいる画面…きっとお客様もあまりの入力項目の多さにげんなりし、もう問い合わせするの止めよう…と思われることでしょう。

せっかくお客様が問い合わせようと思っていただいたのに、その意識をつぶしてしまっては機械損失が生まれてしまいます。
問い合わせフォームの入力項目は極力減らし、必須項目が分かるように*の表示をしてあげるとよいでしょう。

 

2.分かりやすいところにお店の連絡先を記載

ヘッダー部分にはお店の電話番号やメール送信先など、店舗情報を記載しておくと、お客様にも安心してお買い物していただけます。

たまにメールでの問い合わせのみで、電話でのお問い合わせはご遠慮下さいというように、電話番号の記載がないお店も見受けられます。でもこれ実店舗に置き換えてみれば、電話番号を公開できないお店なんて怪しすぎますよね。

EC事業者側としては営業電話の防止という理由で電話番号を非公開にしているのかもしれませんが、やはりお店の人にすぐに連絡がつくという、お客様側目線での安心感をないがしろにしてはいけません。

 

3.豊富な決済種類

決済方法も多ければ多いほど有効。
EC事業者としては決済方法を増やすことで、月額利用料がかかるかもしれませんが、せめてクレジットカード決済だけは導入しておきたいところ。それもVISAやMasterだけでなく、JCBも使えるようにしておくと、なお良しです。

金融機関への直接振込も、一般の銀行だけでなくゆうちょ口座も用意しておくと良いでしょう。ゆうちょ口座同士であれば振込手数料がかかりませんので、ゆうちょ口座を利用している方には喜ばれます。

その他にもコンビニ決済や着払い、ウォレット決済など用意できるものは用意しておきましょう。

決済の導入については「ネットショップに導入したい決済方法を重要度順にランキング」の記事を参考にしてほしい。

 

4.配送方法の選択

これも上の決済方法と同じく、配送手段についてもできるだけ多くの業者の中から選べることが理想。
「ここの配送業者は以前に嫌な思いをしたので使いたくない」とお考えのお客様も結構多いのです。そうした方は任意で配送業者を選べることができたら嬉しいですよね。

また郵便局やヤマト運輸などの配送業者だけの選択ではなく、郵便局での配送であっても保証や追跡の有無など、購入者自身が選択できるということも大切。

配送手段については「ネットショップで使える主要配送業社の提供サービスをご紹介」の記事も参考にしてほしい。

 

5.かごページにおすすめ商品を載せない

お目当ての商品を購入しようと「カートに入れる」ボタンを押して次の画面に遷移したとき、決済に移るかショップ画面に戻ってお買い物を続けるかの選択画面になることがほとんどかと思います。

この時によくあるのが、「この商品を買っている方はこんなものも買っています」という、少々おせっかいなおすすめ機能。

実はこの機能がコンバージョン率を下げてしまうこともあるのです。

かごページからおすすめ商品のページに移り、こんな商品もいいなと思っているうちに、何が本当に欲しいのかわからなくなってしまい、もう一度考え直してから買い物をしようと思うお客様もいるのです。

ただこのおすすめ機能を使って「ついで買い」を促す機能は、コンバージョン率にはマイナスの影響を与えるかもしれませんが「客単価」にはプラスの効果を与えてくれます。
ですので絶対に必要ないというわけではありませんので、総合的に見てどうするのがよいかは、各ショップで判断してください。

 

6.カートボタンを目立たせる

お客様にとって商品の購入フローは、カートボタンに入れるところから始まります。
ですからカートボタンはお客様の目にしっかり入るように、できるだけ目立たせましょう。

またカートボタンの色については昔から議論が繰り返されています。アパレル関係や高単価商品の場合は、高級感を感じさせる黒がいいとか、エコ関係であれば緑がいいとか言われていますが、まだまだこれだ!という結論には至ってないように思います。

色よりもまずは目立たせることを意識してください。

 

7.商品説明にはベネフィットを載せる

ネットショップの商品説明では、お客様が手に取って実物を確認することができないため、サイズや重量などの仕様についてはしっかりと掲載されていることが多いです。

それに加え、肌に優しい成分を使っていますとか、○○の成分が90%使われていますといった、素材や商品自体の価値の高さについても、説明文に書いてあります。

しかし、それを使うお客様にとってどんな良いことがあるか、ベネフィット(利益)の部分の説明が足りないショップが多いです。
これは実店舗であればショップ店員が接客の中で説明するもので、お客様をその気にさせる重要なポイントなのですが、なぜかECサイトの場合はおろそかにされることが多いようです。

上質の国産タオルを販売する店舗であれば、「優しい肌触りと吸水性が抜群」という機能説明に加え、「敏感肌の方や赤ちゃんでも肌を傷つけることなくお使いいただけます」とか「家族皆で使い回せてエコにつながる」といった、使用する上で得られる利益も併せて記載しておくとよいでしょう。

商品説明については「商品の魅力を伝える説明文章で訴求力を高める3つの要素とは」の記事も参考にしてほしい。

 

8.商品写真はさまざまなカットを用意する

ネット通販最大のデメリットは、お客様が実際に商品を手に取って確かめることができないこと。本来であれば気になる商品は手に取って、質感などを確かめた上で購入したいですよね。

だからネットショップの場合は、お客様にはできるだけ細かい部分まで写真と文章でお伝えすることが大切。
それも感覚で伝えやすい視覚的な情報、画像データは豊富に用意するべきです。

商品写真を一枚だけ用意するのではなく、さまざまなカットから撮影して、より細かい部分までお伝えする必要があります。店主がこんなカットまで必要? と思ったとしても、お客様としては実物を手にできない以上、より多くの情報があれば安心して購入できるもの。

もし一点ものの商品などを扱っている場合は、商品の傷などもしっかりと写真でお伝えするようにしましょう。そうした部分もしっかりと伝えておくことで、その後のクレーム処理を減らすことにもつながります。

商品撮影については「ネットショップの商品写真を魅力的に見せるアングルや構図」を参考にどうぞ。

 

9.返品時の無償対応

返品の際に有償対応のお店と無償対応のお店があれば、無償対応のお店の方が良いに決まっていますよね。

でも商品に不備があった際に無償対応にするならまだしも、お客様都合での返品まで無償対応としたくない方もいらっしゃると思います。確かに無償対応することで経費がかかり無駄な出費が増えるかもしれません。でもそれ以上にお客様からの注文が増えれば、結果オーライということになります。

返品無償対応と宣伝しても、意外にも無茶な返品対応を要求してくるお客様は少ないもの。それであれば、多少のリスクを取ってでも、コンバージョン率を高めるための返品対応の施策を取ったほうが効果的です。

 

10.お試しセットを用意する

新規のお客様を獲得するための施策として、お試しセットを用意するのはとっても効果的。

明確に欲しいアイテムがあって、自然検索から流入してくるお客様は別ですが、外部メディアなどからいらしたお客様の場合は、最初はお客様ではなく、お店のファン(見込み客)となっている状態かと思います。
そしてお店のファンとなっているユーザーが何かおすすめの商品あるかな…と思ったときに、お試しセットが並んでいれば、ひとまず試してみたくなるもの。

まずはお店の自慢の3点セットなど、お試しセットを比較的お求めやすい価格で提供することで、新規顧客がリピーターになってくれる可能性も含んでいます。

 

11.キャンペーンを開催する

キャンペーン開催もコンバージョン率を高めるために効果的な手法の一つ。

楽天市場でもポイント2倍キャンペーンとかやってますよね。そうすると「今買わないと損かも…」という思考や「どうせ同じものを買うなら他店舗でなくキャンペーン開催中の店舗で買おう…」という思考が働き、コンバージョンしやすくなります。

ポイントでなくても、送料無料キャンペーンや、試供品プレゼントキャンペーンなど、バリエーションは豊富です。

ここで「キャンペーン中の一時的なものじゃないの?」とお考えになるかもしれませんが、上の項同様、キャンペーン中の新規顧客がリピーターになってくれることは大いに予想されます。それにショップとしても賑わい感が出て、より購買に結びつきやすくなります。

キャンペーンについては「ネットショップの賑わい感を演出するキャンペーン企画9選」の記事を参考にしてほしい。

 

12.即日発送

ネットショップを利用するお客様の心理として、決済まで完了すればいち早く商品が手元に届いてほしいと考えます。
欲しいから購入しているわけで、購入したらすぐに使いたいと思うのが自然ですよね。

実店舗であればそのまま持ち帰ってすぐ使うことができますが、ネット通販の場合は店舗側の発送業務もありますので、実店舗のようにはいきません。もちろんお客様もそうした部分はある程度理解されているのですが、それでもできるだけ早く発送してほしいと思っています。

発送までに5日かかるお店と、即日発送のお店であれば、同じ商品を買うなら即日発送のお店を選びますよね。

だから「15時までのご入金なら即日発送、それ以降のご注文は翌日発送になります」といった文言は、できるだけ目立つように記載すると良いでしょう。

 

13.お客様からのレビューを記載

人は何かを決めるときに、第三者の賛同を得ると、より決断しやすくなる生き物です。なにも情報が無いよりも「誰々もそう言っていたよ」というような他者の意見は、決断を後押ししてくれるもの。
たとえそれが赤の他人であっても同じです。

商品の紹介ページにはその商品を購入いただいたお客様のレビューを載せておくと、そのページを訪れたお客様の買う動機づけになってくれます。

新商品などでお客様のレビューがまだ無いという場合は、スタッフによる使用レビューを記載しておくとよいでしょう。お客様レビューの集め方については「商品ページに記載したいレビュー・お客様の声の集め方」を参考にしてほしい。

 

おわりに

ECサイトを運営しているオーナー様であれば、集客・客単価・コンバージョン率の3点は常日頃から意識しておくべきポイントですよね。これらのポイントは売上げに直結する数字ですので、それぞれをいかに高めていくかが重要。

コンバージョン率の向上においては、さまざまな施策があると思いますが、今回私たちがご紹介した施策も健全なショップ運営のための参考にしていただけますと幸いです。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!