実店舗でもそうだが、ショップスタッフの動きが機敏だったり、商品購入後に「ありがとうございました」と声掛け頂いたりすることで、そのお店に対して好印象を覚える。そして印象の良いショップはリピート訪問したくなるのが自然な感情だろう。
ではお客様と直接顔を合わせることのない、言葉を交わすことも少ないネットショップの場合は、どのようにしてお客様から好印象を得ていけばよいのだろうか。今回は印象が良いネットショップにするための”こわざ”について、ご説明していく。
お客様から好印象を得るためのテクニック
商品購入後のメールの冒頭は感謝のメッセージから
「ありがとうございました」この言葉を投げかけられて、気分を害する人はいないだろう。誰だって感謝の言葉を貰うと嬉しい気持ちになる。お金をいただいたから商品を提供するという無機質な取引ではなく、感謝の言葉を発して人間味あふれる取引にしていきたい。
商品を購入いただいた後に送付するメールには、振込先情報の連絡や、注文内容の確認だけではなく、まずは「この度は当店をご利用いただきありがとうございました」や「お買い上げいただき感謝申し上げます」などの、感謝の言葉を冒頭に持ってくるようにしよう。
スタッフ写真は笑顔で
いつもニコニコしている人を見て、心が和んだ経験はないだろうか。笑顔は周りの人に連鎖するという。そして笑顔はリラックス効果や、ストレス解消の力があるとされ、もっと言うと免疫力向上や美容効果なども持ち合わせているという。
とにもかくにも、人は笑顔を見ているだけで、理由もなく幸せな気持ちになるものだ。顔の見えないネットショップだとしても、スタッフ紹介ページや商品ページに、無理やりにでもショップスタッフの写真を掲載することで登場させればいい。そのときには笑顔の写真でお客様の心をリラックスさせてあげよう。
サプライズを用意する
誕生日や結婚記念日などでサプライズプレゼントを用意してもらうと嬉しいように、サプライズは感動を増幅させる効果がある。
ネットショップの感動ポイントといえば、待ちに待った商品とご対面する瞬間だろう。お客様の心が一番高ぶるこのときに、商品+アルファを同梱しておくことで、サプライズを演出する。
ご注文の商品に加えて、お客様が好みそうなおまけ商品を同梱しても良いし、食品関係なら通常よりも増量しても喜ばれるだろう。固定客への”ひいき”のための施策なら、複数回ご利用のお客様にこうしたサプライズを仕掛けるのも効果的だ。
きれいな言葉遣いを心がける
品の良い、美しい言葉遣いを心がけよう。お客様と直接言葉を交わすことは少ないかもしれないが、商品ページの商品説明文章や、お客様へ送付するメール文章の言葉遣いを意識するだけでも、お客様のショップに対する印象は変わってくる。
極端な話だが「とってもいい商品だから購入してくれ!君のお買い上げを待ってるぞ」のような高圧的な言葉遣いだったらどうだろうか。ネタとしては面白いが、決していい気持ちはしない。
ショップスタッフはお客様より立場が下、というわけではないが「気持ち良く買い物をしてもらおう」というおもてなしの心を大切に。
電話対応の練習をしておこう
ネットショップで電話対応が発生するのは稀だ。だが電話対応が少ないからといって、おろそかにしてはいけない。普段から電話対応に慣れていないと、そっ気のない対応になってしまうかもしれない。
できれば電話対応にもマニュアルを作ったり、電話対応の練習をするなどして、気持ちの良い接客ができるような準備をしておきたい。
トラブル時の対応は誠実に
商売をしていれば、何かとトラブルに見舞われることもあるが、トラブル時の対応こそ、お客様からの評価が分かれるポイントである。
印象を悪くする対応は、言い訳・無視・不愛想だ。さすがに無視を決め込む事業者はいないだろうが、たまに言い訳からスタートする事業者がいることも確かだ。もしお客様が起因となったトラブルだとしても、まずは謝ることからスタートするべきである。
謝罪の後は今後の対応やアフターフォローについて、迅速に対応することで、お客様からの印象も良くなり、ショップのファンになってもらえる可能性も出てくる。
お客様からのクレーム対応は「クレームをチャンスに変えるネットショップ的処理対応」を参考にしてほしい。
梱包は丁寧に
心から待ち望んでいた商品が手元に届いても、雑に梱包されていたら、そのときの感動も薄れてしまう。ましてや梱包が雑で、せっかくの商品が破損していたなんてもってのほかだ。
ショップスタッフとしては、注文を受けて終わりではなく、商品を送り届けるときまで気を抜いてはいけない。緩衝材を入れたり割れ物を梱包するなら荷札シールを貼ったりと、心配りを忘れてはいけない。商品の梱包については「しっかりできてる?商品を梱包するときのショップの心配り」を参考にしてほしい。
ショップへの印象は第一印象だけではない
営業ではよく「人の印象は初めて顔を合わせた時の第一印象で八割方決まる」と言われるが、ネットショップの場合は第一印象だけではない。
何気なく検索経由で見つけたネットショップのデザインや世界観が好きで”いいな”と思ったとしても、商品の梱包が雑だったり、パッケージの保管状態が悪くシミなどが付いていれば、せっかくの印象も悪くなってしまう。
B to C型の商売では、一番最後に接触したときの印象も非常に大事。実店舗で言うなら、商品を購入後は「ありがとうございました」も無しで「後は勝手にどうぞ」と言わんばかりの態度を取られたら気分も悪くなる。それとは逆に窓口まで見送りに来てくれたら「何ていい店なんだ」と思うだろう。
ネットショップではお見送りすることはないが、一番最後にお客様と接触する瞬間となる、商品とご対面するタイミングは、より一層意識しておきたい。さらに「その後の商品の使い勝手はいかがでしょうか」といったフォローメールを送るのも、印象を良くする施策として効果的だ。
とにかくファーストコンタクトの瞬間だけではなく、一番最後にコンタクトが生まれる場面も重要だということを頭に入れておいてほしい。
おわりに ちょっとした手間で印象は良くなる
お客様からの印象の良いネットショップにするためには、大それた施策は必要ない。ちょっとした手間をかけるだけでも、好印象を与えることが可能だ。
お客様を第一に考えていれば、今回ご紹介した対応以外にも、さまざまな施策が思い浮かぶはずだ。利益を追及していくことも大切だが、商売を通してお客様を幸せにしていくという理念を忘れることなく経営を行っていこう。
【著者からの一言】
鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-
当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!
ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!