ネットショップの運営にて、リピーターをつくる施策として効果を発揮するメールマガジンの配信。ユーザーからメルマガ配信の同意を得ることができれば、配信拒否の連絡を頂戴しない限り、恒久的にお客様に訴求できる。それに一度はショップを利用してもらったユーザーへの配信が基本のため、リピート購入につながる可能性も高い。
そんなメルマガも、一件一件個別に送信しているわけではないのは周知の事実。(本来なら全て個別に送付し、それぞれで内容を変更することが理想的だが、それではあまりにも時間と費用を消耗するため、業務効率化を優先して一括送信していることが多い)
ということで、ECサイト運営者なら利用したいメルマガ配信システムやフリーソフトをご紹介していく。
メルマガ配信システム
acmailer(無料)
配信数に制限がなく、しかも無料で使えるacmailerのメルマガ配信システム。
完全無料にもかかわらず広告が表示されないのは非常に魅力的なのだが、acmailerはGCIタイプのシステムのため、ダウンロードしたメルマガ配信システムを、サーバー上に設置しなければならない。そのためちょっとした専門知識が必要となり、コンピュータに詳しくない人には少々難易度が高いかもしれない。
機能面では、HTMLメールや配信時刻設定といった基本的なことから、サーバーへの負荷を抑えるために配信スピードを制限したり、不着メールを管理できたりと申し分ない。
オレンジメール(制限付き無料)
8年間で14,462件の導入実績というオレンジメール。
ただメールを配信するだけではなく、効果測定機能もしっかりと兼ね備えている優れもの。例えばメルマガを送付したユーザーの内、何名が本文内のURLをクリックしたのかや、そのURLをクリックしたユーザーの一覧を把握することができる。そうしたユーザーを抽出すれば、さらに高度なメルマガ戦略を立てられることは言うまでもない。
ただし無料で利用できるのは、メルマガ登録者件数が100件までに限られる。それ以降は追加料金が発生し、2,000件までの送信になると、2,480円の月額利用料に加え、12,800円の初期費用が発生するので注意してほしい。
配配メール(有料)
導入実績が3500社を突破したという配配メール。当メールシステムのウリは「高い到達率」「らくらく効果測定」「カンタン操作」の3点とのこと。有料メルマガだけあって、機能面でもQRコードの自動生成やステップメールの送信など充実している。
システム利用にかかる料金は登録メールアドレス数によって変わり、ウェブサイト上では公開していない。まずは資料請求をして、見積もりの流れになる。
WiLL Mail
HTMLメールにこだわっているなら、ぜひ利用したいWiLL Mail。
最短1ヵ月からの契約で、月額4000円からの利用となる。料金についてはメール配信数に応じたプランと、アドレスの登録件数に応じたプランの2パターンが存在する。
また最大の特徴はレスポンシブ対応のHTMLメールを送信できる点。送信先の端末がスマートフォンだとしても、常にユーザーの画面幅に最適化されて表示される。モバイルファーストが進む時代にぴったりのメルマガシステムである。
ブレインメール
業界NO.1の6700社以上との契約があるブレインメールは、サーバー環境も充実しており、高速配信を実現してくれる。
登録アドレス件数ごとに月額費用が変わり、最も安いプランでは登録アドレス数が3000件で、2000円の月額費用となる。料金プランが分かりやすく、細かく設定されているのは利用者にとってプラスのポイント。
HTMLメールの作成はもちろんのこと、効果測定まで備えており、他のメルマガ配信サービスと機能面でも遜色ない。
メルマガ配信ソフト
続いては利用しているPCにインストールするタイプの、メルマガ配信ソフトのご紹介(同報メールソフトとも呼ばれる)。アドレス帳を登録しておくことで、複数名に対し同じ内容のメールを送信することができる。
ただしメールサーバーは自身で契約しているサーバーを利用することになるため、あまりにも配信件数が多い場合には、お使いのメールサーバーの利用規約にあるメール送信件数の上限を超えないかを意識してほしい。サーバー側の対応によっては、利用禁止の制裁を受けることもある。
Mail Distributor(無料)
フリーソフトながら機能性も高いMail Distributor。
アドレス帳に氏名を登録しておくことで、送信者の名前を一件ずつ自動で切り替えることができる(○○様の部分)。またアドレス帳の中から、独自で設定した条件を満たす人のみにメールを送信する絞り込み機能もある。この機能を利用することで、例えば東京都在住の人にだけ限定メールを送信することや、性別などで絞り込みをかけて、よりユーザーに響くメール本文を考えることが可能になる。
メールアドレスはCSVからのインポートも可能で、非常に使いやすいシステム。
ExcelMailAddin(個人に限り条件付きで無料)
Excel アドイン(標準のExcelに機能追加)するソフトのため、普段からマイクロソフトのExcelに馴染みがあるユーザーにとっては、入りやすいツールとなる。Excelのシートを利用してアドレス帳の管理やメール本文を管理する。
ただし、商用で利用する場合にはライセンスの購入が必要になるので注意してほしい。
Mail Magic(無料)
シンプルなフォームで1回で3万通まで送信可能というMail Magic。
先に紹介したMail Distributorと同じように、氏名や住所といったユーザーの属性をアドレス帳に登録しておくことで、自動でその項目を引っ張り、ユーザー個別のメールを作ることができる。
またHTMLメールにも対応している。
おわりに まずは無料システムからスタート
いくつかメルマガ配信に適したシステムやツールをご紹介してきたが、いかがだったろうか。弊社としてはネットショップの立ち上げ直後は、メルマガの配信先も少ないだろうから、まずは無料ソフトを利用することをおすすめしている。次第に顧客リストが増えて無料ソフトではカバーできなくなったら、有料システムに切り替えることを検討したい。
メルマガはリピーターをつくる施策としてまだまだ一定の効果をもたらしてくれるため、是非利用してほしい。またメールマガジンの上手な配信の仕方については「120%の効果を発揮するメールマガジン活用術」を参考にしてほしい。
【著者からの一言】
鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-
当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!
ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!