コンテンツマーケティングの肝となるメディア運用。
ソーシャルメディアにしろ、ブログ型メディアにしろ、一番難しいのは「成果が出るまで続けていくこと」だろう。
一般企業のメディア運用であればお問い合わせや資料請求の件数を増やそうと、ネットショップであればお客様の数を増やそうとメディア運用を始めたのはよいが、途中で諦めてしまった、という事業者がいるのも事実。
せっかく予算を用意してメディアを起こしても、継続できなければ意味がないので、あえて失敗する原因から、継続するためのコツをご紹介していこう。
資金的な問題
まずはメディア運用を続けていくための資金が無くなってしまい継続ができなかったパターン。やる気はあるのに資金的な問題で諦めてしまうのはもったいない。
人件費がかかることを理解する
コンテンツマーケティングは広告費のかからない集客手法であるのは確かで、メディア運用するシステムさえ用意してしまえば、これといった出費は発生しないように思えるが、忘れてはいけないことが一つある。それはメディア運用をしていくのはあくまで「人」だということ。
そのため目には見えないが人的コストが発生する。それにメディア運用をしている時間はある意味先行投資であり、運用開始当初はお金を生むこともないだろう。
だから人的コストを無視してメディア運用をスタートしてはいけない。外部委託をしない限りは、メディア運用に時間を使えば使うだけ、今までの通常業務の生産性が落ちることを理解する必要がある。
何名体制で1日の業務時間の内、どれだけをメディア運用の時間に割いていくのかを、事前に決めておくとよい。
長期戦を想定する
資金繰りが難しくてメディア運用が頓挫してしまう要因の一つとして、先に挙げた人的コストは理解していたが、想定よりも成果が出るのに時間がかかってしまい、予算を使い切ってしまったということがある。
コンテンツマーケティングに取り組むのであれば、「1年間は全く成果が出ない」というぐらいの長い気持ちで始めたほうがいい。もし3ヵ月目から収益化する予定を組んでいると、実際は予想以上に収益化までの時間がかかってしまい、予算が無くなってしまうということになりかねない。
目安としては1年分の予算を確保した上で、コンテンツマーケティングに取り組むようにしよう。
時間的な問題
メディア運用は簡単に運用できそうに見えて、突き詰めていけば奥が深い。ただ思いついたことを文章にするだけでなく、キーワードの分析やロジカルに記事の構成を組み立てたり、意外に手間や時間がかるものなのだ。
作業時間を確保しておく
時間的な問題で失敗する場合の多くは、現状抱えている業務の片手間でメディア運用を行おうとするケースだ。メディアの成長スピードをどの程度で想定しているかにもよるが、成果を出したいのならしっかりと作業のための時間を確保しておいた方がよい。
例えば一日1時間、17時~18時まではコンテンツ作成専用の作業というように、時間割を決めておかないと現状の業務の忙しさにかまけて、次第にメディア運用に手を付けなくなってしまう。
人員(メンタル)的な問題
最後は人員(メンタル)的な問題で諦めてしまうパターン。メディア運用を開始して間もないころは成果にも結び付かず、作業自体が辛く思えてくることがあるだろう。そんなときには次にご紹介するような手段を参考にしてほしい。
目的をしっかりと理解する
メディア運用は続けていくうちに「何で毎日こんなことをしているのだろうか…」と、その目的を見失ってしまいがち。複数名でコンテンツマーケティングに取り組むのであれば、その目的をメンバー全員で徹底して共有していくことが必要だ。
「メディア運用を通じて集客力の向上」「月間売上高の向上」「リピート率の向上」など、どれも続けていれば必ず成果は出る。目的を見失えば、それらの目的を達成するために不必要なコンテンツを起こしてしまうこともある。それでは時間の無駄になってしまうので、目的を理解し、そのためのプロセスを踏んでいくようにしよう。
数字を見てモチベーションアップ
メディア運用を開始して3ヵ月ほど経過すると、徐々に成果が現れてくると思う。成果は数字で確認できるので、アクセス解析ツールの導入は必須だ。
PV(ページプレビュー)数、ユーザー数、セッション時間などを知ることができれば、自分たちが時間をかけて制作してきたコンテンツの一つ一つが、どれだけのユーザーに見られているかを把握でき、モチベーションを上げることにもつながるだろう。
そしてPV数やユーザー数が増えていけば、そこから必ずお客様が生まれる。
チーム内の士気が下がってきたり、やる気が減少してきたら、目で見える数字で実績を確認してモチベーションを高めよう。やる気を継続していくには「モチベーション高くメディア運用を継続するために必要なこと」の記事を参考にしてほしい。
おわりに メディア運用は準備を欠かさずに
メディア運用を思い付きで始めてしまうと、予算が取れなかったり、時間的な問題にぶつかったり、熱が冷めてしまったりと、成果が出る前に諦めてしまう、もしくは極めて質の低いコンテンツができあがる可能性が高い。
そうならないためにも、しっかりと目標を決めて、計画立てて遂行していく必要がある。進むべき道を誤らなければ、継続していけば必ず成果は出るのだから。
【著者からの一言】
鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-
当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!
ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!