コンテンツSEOを業者に頼む前に確認するべき6つのこと

インターネットが誕生してからというもの、検索ロジックの裏をかくような、ありとあらゆるSEO対策が生まれてきた。しかし検索エンジンの精度が飛躍的に向上した昨今において、もはや小手先のSEO対策は効果を生まなくなってきている。ユーザーにとって価値のある、本当に質の高いコンテンツを備えているウェブサイトを上位表示させる傾向が強くなっているからだ。

そこで注目されているのが”コンテンツSEO”という考え方。良質なコンテンツをサイト内に増やして「ユーザーにとって価値のあるサイトである」ことを検索エンジンに認識してもらい、SEO対策を行っていく手法。

コンテンツSEOは社内でも行える対策ではあるが、人員不足のため外注するケースもある。そうしたときには外部の業者に発注することになるが、そこで気をつけたい点について、ご説明していく。

 

コンテンツSEOを発注する前にチェックすべきこと

記事の文字数

業者から納品してもらう記事の文字数は、コンテンツSEOを成功させる上で最も重要になる。

一概に言えるわけでもないのだが、コンテンツの質は文字数が多いほうが高くなる。例えばネットショップで取り扱っているサプリメントについての記事を書くときに、100文字しかない記事と、3000文字にわたってあらゆる角度からそのサプリについて書かれた記事があるのなら、後者の方がよりユーザーの疑問を解決してくれるお役立ち記事であることが推測できる。

ただし無条件に文字数が多ければ良いわけではなく、商品とは何の関係もない余談で、文字数の水増しをしていては意味がない。あくまで一つの話題にフォーカスを当て、それにまつわる話で展開していくのが前提となる。

 

適切な文字数は

「じゃあ適切な文字数は何文字程度?」と疑問に思う方もいるだろうが、こればかりは明確な回答を出すことができない。もし300文字程度の記事でも、他サイトでその対象について説明している記事が無ければ、上位表示されるだろう。それとは逆に3000文字の記事を用意しても、もっと充実した内容の記事が他にいくつもあれば、上位に表示されることはない。

検索順位は絶対的な基準ではなく、相対的な評価で決められるのだ。

「絶対に何文字必要」という決めつけだけでなく、キーワードの選定から競合サイトの調査まで、上位表示に必要なコンテンツの質を見極めることができる業者こそが、信頼できる業者であると言える。

 

専門的な話題もOKな場合は注意

医療や法律などに関するコンテンツでは、専門的な知識が必要になる場合もある。こうした専門的な話題も提供できる業者は、NGではないが注意するべきである。

やはり専門的な記事は、専門知識のある人間にしか書けないものである。もし素人がネット上から得た知識で、確信を得ない内容で記事執筆をして、それをそのままサイトに掲載した結果、もし内容に間違いがあれば、ユーザーからの信頼も失ってしまう。

専門的な内容を含むコンテンツ制作を依頼する際には、どのようにして記事執筆するのかを確認した方がよい。コラムなどの通常記事と同じ料金で提供している業者は要注意だ。本来なら専門家への確認などのため、費用が高くなるはず。

 

絶対を約束する業者も注意

SEOの世界に絶対という言葉はない。特定のキーワードで上位に表示するかどうかはSEO業者が決めることではなく、検索エンジンが決めることだ。どれだけ良質のコンテンツを制作したとしても、なぜか上位表示されないことだってある。

絶対上位表示を宣言している業者は、何を根拠にそううたっているのかは分からないが、依頼する側としては注意したほうがよい。全てとは言わないが、悪質な業者である可能性が高い。

 

長すぎる契約期間

「SEO対策の成果が出るには時間がかかるので、1ヵ月だけの契約はお断りします」…これは正しい。SEO対策にて小手先のテクニックが通用しなくなった今、コンテンツベースにSEO対策をしていくなら、ある程度の時間はかかる。

だが”最低1年契約から”などの、あまりにも長すぎる契約を結びたがる業者には注意しよう。初回契約での契約金だけが目的の可能性もある。弊社としては6ヵ月程度が初回契約の目安で、その後は3ヵ月更新や単月契約での更新としていくのが理想だと考えている。

 

立ち上げ間もないサイトの成功実績しかない

「検索順位を圏外から10位以内に上昇させました」という成功実績をうたっている業者は多数あるが、注目すべきは、立ち上げから何か月目のサイトに対して、SEO対策を行ったかである。

SEOについて深い知識がない人は、こうした表面上の成功例に騙されやすいので注意してほしい。

特定キーワードでの検索順位は、ウェブサイトの立ち上げ当初は上位表示されないものである。一部ではエイジングフィルターとも呼ばれているものだが、検索エンジンとしても、立ち上げから間もないサイトは本当に信用できるものなのか判断に困る。もし信頼できないサイトを検索上位に引き上げてしまえば、検索エンジンの質そのものが疑われてしまう要因にもなる。

こうした背景から、立ち上げ間もないサイトは、特定キーワードでのSEO対策を行っても上位表示されず、徐々に時間をかけながら順位を上げていくものである。弊社ではサイトの評価が固まり、検索順位が落ち着くには半年程度必要になると考えている。

つまり立ち上げ間もないウェブサイトのSEOコンサルをしたとしても、何もしなくてもたいていの場合、検索順位は上昇する。成功事例を見てコンテンツSEOを依頼する際には「立ち上げからどの程度経過したサイトの成功実績ですか?」と確認するようにしてほしい。

 

テキストに表記の揺れがないか

表記の揺れとは何なのか? だが、例えば「いただく」という言葉は、そのまま平仮名で表記することもできれば「頂く」のように漢字で表記する場合もある。こうした「いただく」や「頂く」の表現がごちゃまぜになっていることを、”表記の揺れ”と表現する。

ユーザーにとって読みやすい文章にするならば、ライティングについての明確なルールを決めて、表記の揺れは極力なくすべきである。(ちなみに弊社では、なにかを譲り受ける場合には「頂く」とし、その他の場合は「いただく」と表記している)

ライティングという分野もただ書けばよいわけではなく、書式を守ったり独自のライティングルールに準拠したりと、意外に奥が深いものなのだ。

こうした表記の揺れは、複数のライターで記事制作をしている場合、特に発生しやすい。社内でしっかりとライティングルールが定められているのかもチェックしておきたいところ。ちなみに弊社では共同通信社が発行している”記者ハンドブック”に準じたライティングを基準としている。

 

おわりに 読んで価値のある内容かどうかが成功の鍵

コンテンツSEOと言っても、やみくもにコンテンツをサイト内にぼんぼん投入して、ドメインのボリュームを大きくしていけば良いわけではない。

大切なのは量より質だ。時間をかけてまで読む価値もないコンテンツが100あるよりも、ユーザーの困りごとや疑問を解決するような良質のコンテンツが10ある方が、SEO対策としては効果を発揮してくれるだろう。

社内の人的リソースが不足して、コンテンツSEOを業者に依頼する際には、今回紹介したようなポイントを意識しつつ、質の高いコンテンツを制作してくれる業者を見極める目を持とう。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!