インフルエンサーを起用してプロモーション効果を高めよう

近年のウェブマーケティングの世界では、”インフルエンサー”と呼ばれる言葉を耳にすることが多くなった。毎年冬場に流行する”インフルエンザ”なら知ってるけど…という人もいるだろうが、言葉は似ているが意味するものは異なる。

新商品や自店のブランドをプロモーションする場合も、このインフルエンサーを上手に利用することで、認知度の向上や販促効果をさらに高めることができる。今の時代に生まれた新しいプロモーション手法の一つである。

 

インフルエンサーとは

まずは今回のテーマの根本となるインフルエンサーとは何なのか? という点についてだが、インフルエンサーとはインターネット上において大きな影響力をもつ人物のことである。

例えばテレビでも活躍している芸能人が、自身のブログ上で普段から愛用している健康食品の紹介をしたとする。するとそのブログを読んでいるファンの人たちの中には、初めてその食品を知る人もいれば、紹介された健康食品を購入する人も出てくるだろう。ブログを通して他の人の思想や行動に影響を与える結果となったため、この芸能人はインフルエインサーと呼ぶことができる。

 

芸能人でなくてもインフルエンサーは生まれる

先程は分かりやすい例として、世間一般に認知されている芸能人をモデルにしたが、インフルエンサーは必ずしも芸能人だけとは限らない。テレビなどの出演経験などなくても、インターネット上だけで非常に強力な影響力を持つ人間もいる。

例えば自身の運営するブログのPVが増加すればブロガーという立場のインフルエンサーが生まれるし、それはSNSツールでも同様。インスタグラムのフォロワーが増加すればインスタグラマーと呼ばれるインフルエンサーにもなるし、Facebookでの友達が多ければ、それだけでインフルエンサーとしての役割を持つことになる。

最も有名なのはYoutubeで動画を配信して、多くのファンを抱えるユーチューバーと呼ばれる存在ではないだろうか。さまざまなプラットフォームを基盤とするインフルエンサーが、インターネットの世界には存在するのである。

 

インフルエンサーの存在価値が高くなってきた理由

 

インターネットメディアの隆盛

今や仕事や家事から解放された余暇時間に何をするかといえば、テレビやラジオのようなメディア媒体よりも、インターネットに接続する時間が多くなってきた。そうした消費者の行動が変化するのに伴い、企業側もインターネット媒体への広告予算を多くとるようになってきている。

そんな流れの中で、インターネット上で大きな影響力を持つインフルエンサーの存在を利用することは、インターネットユーザーを取り込みたい企業の思惑にはぴったりの戦略である。だからこそ年々インフルエンサーの存在価値が高くなってきている。

 

インフルエンサーはすぐには作れない

一般人がすぐに多くのファンを抱える有名人にはなれないように、すぐにインフルエンサーになれることもない。今では誰もが知るようなユーチューバーも、動画配信を始めた当初は閲覧者は数えるほどだったことだろう。しかし諦めることなく続けてきたからこそ、徐々にファンが増え、大きな影響力を持つまでになったのだ。

意図してインフルエンサーを作り上げようと思っても、1日2日で作り上げられるようなものではない。だからこそインフルエンサーは貴重がられるものであり、お金を払ってでも利用したいと企業側は思うのである。

 

インフルエンサーの利用の仕方

インフルエンサーの起用は、単純にそのインフルエンサーのインターネット上での影響力を利用して、自社の商品やブランドの認知度の向上や、販売促進として利用するのが一般的。そしてインフルエンサーを利用したプロモーションを行っていくには、いくつか気を付けてほしい点もある。

 

費用はインフルエンサーの影響度によって変わる

インフルエンサーを起用する際にかかる費用は、当たり前だがインフルエンサーがもたらす影響力によって変わってくる。Twitter上のインフルエンサーなら、その指標の一つとしてフォロワー数がある。100のアカウントからフォローされているユーザーと、1万のアカウントからフォローされているユーザーでは、後者の方が影響力は大きいと考えることができる。

厳密にはフォロワーとの親密度も加味しなければならないが、影響力の強いインフルエンサーほど、起用する際の予算は高くなる。

 

依頼は直接・代理店を通す方法の二通り

インフルエンサーの多くはフリーとして活動していることが多い。だからインフルエンサーが運営している媒体を通して、直接仕事の依頼をすれば問題ない。

また芸能事務所に所属する芸能人がいるように、インフルエンサーも彼らに対する案件を仲介する代理店が存在する。どのインフルエンサーを起用するのか悩む場合は、代理店に相談をしてみるのもよいだろう。

 

ステマはやめよう

金銭の授受が発生したにもかかわらず、それを表に出すことなく、あくまでインフルエンサーの自己意思のような見せ方で商品を紹介するステルスマーケティング。ステマは法律に違反することではないが、倫理的な観点からやめたほうがよい。

過去には芸能人が自身のブログでステマを行い、社会的に厳しい制裁を受けたことがあった。ステマは一般消費者を騙す行為ともとられ、インフルエンサー側も、企業側も信頼を失うことになってしまう。

もしお金を払って商品やブランドの紹介を依頼する場合には、ブログであれば「PR」や「Sponsored」などの文言を入れるべきだし、その他でも必ずスポンサーが付いている旨を知らせるべきである。

 

商品を無償で送付する

金銭的なやり取りでスポンサー契約をするのではなく、無償で自社商品を送付するという方法もある。必ずしも送付した商品をインフルエンサーが持つメディア上で紹介してくれるとは限らないが、もし気に入ってくれたのなら、紹介してくれることもある。

例えばインスタグラムにてファッション関係で人気のあるインスタグラマーに、自社ブランドの洋服を無償で提供する。そして私服写真のような形で、送付した洋服を着てもらった写真が載るだけでも、その他のユーザーへの訴求効果が生まれる。

 

インフルエンサーの活動フィールドを理解する

インフルエンサーと一口に言っても、活躍するフィールドやファン層はさまざま。個人ブログにて社会的な問題点について言及しているインフルエンサーもいれば、インスタグラムで若者向けライフスタイルを提示するインスタグラマーもいる。インブルエンサーを起用して商品のプロモーションを行う際には、そのインフルエンサーがどのような分野に強いのかを把握しておく必要がある。

30代男性に影響力のあるインフルエンサーに対して、女子中高生向けの商品のPRを依頼したところで、思ったような効果を得ることはできないだろう。企業側で訴求したいユーザー層と、インフルエンサーの影響が及ぶユーザー層がマッチしているかは非常に重要なのである。

 

おわりに インフルエンサーの質を理解して効果的なプロモーションを展開

インフルエンサーを起用することは、今どきのプロモーション手法として有効である。ただしむやみやたらにインフルエンサーを起用すればよいわけではなく、インフルエンサーの特性を理解して、効率的に利用するようにしてほしい。そしてプロモーションを行うプラットフォームも、ブログ、SNS、Youtubeなどさまざまだ。

自社の商品やブランドのプロモーションにはどのプラットフォームで、どのインフルエンサーが一番適しているかも気にしながら、費用対効果の高い施策を目指していこう。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!