漫画の力でページ滞在時間を上げて商品の魅力を知ってもらう

自身で運営するECサイトのアクセス解析をしていて、ページ滞在時間が短いなと思うときはないだろうか。ページ滞在時間が10秒未満だと、その商品が気になってページを開いたけども、何かしらの原因で別ページへ遷移してしまったということが推測できる。

その原因は「商品写真を拡大したら想像していたものとは違った」とか「価格が思った以上に高かった」などさまざま。しかしもしユーザーに説明文章をしっかりと読んでもらい、商品の魅力をお伝えすることができていたら、商品のフォルムや価格についても納得して、コンバージョンに至ったかもしれない。

今回はページ滞在時間を上げて商品の魅力を知ってもらうために、漫画の力を利用しようという話。

 

日本人は漫画が大好き

まず日本人は漫画が大好きな民族だ。日本に来た外国人が、通勤電車の中で漫画を読んでいるサラリーマンを見て、カルチャーショックを受けたというのはよく聞く話。海外でももちろん漫画文化はあるが、どちらかと言うと子供が楽しむコンテンツという印象が強い。

日本の漫画は少年漫画だけでなく、少女漫画や青年漫画など、その種類も多岐にわたる。そうしたバリエーションの豊富さが、いくつになっても漫画というコンテンツに対して親近感を与える要素となっているのかもしれない。

なぜ日本人が漫画が好きなのかどうかはさておき、漫画の方が取っつきやすく、読み進めやすいのは事実だ。小説を読むのが苦手な人でも、漫画なら大丈夫という人は多いものである。

 

ウェブの世界でも漫画を有効活用

ウェブの世界でも漫画の力を利用して、よりユーザーにしっかりと読んでもらえるコンテンツを作ることができる。それはネットショップでも同じこと。

 

商品説明を漫画で表現

冒頭でも少し触れたが、せっかく商品ページにアクセスしてもらったのに、商品の魅力をお伝えすることができないまま離脱されるのはもったいない。文字がズラーっと並んでいる商品説明文章も、漫画仕立てにすることで「せっかくアクセスしたんだし、漫画ならちょっと読んでみようかな」という気持ちにさせることができる。

商品の魅力を伝える説明文章で訴求力を高める3つの要素とは」でも説明しているが、商品ページの要はスペック・メリット・ベネフィットである。これら三つの要素を、キャラクターと挿絵を挟みながら説明していくことで、お客様もすんなりと読み進めることができる。さらにお客様の声(レビュー)や、よくある質問といった項目も、漫画の中に盛り込んでもよいだろう。

商品ページに漫画を取り入れることで、もし商品説明さえ読んでくれていたら離脱を防げたかもしれないユーザーの離脱を防止できる。

 

漫画でストーリーに引き込む

商品が持つストーリーをお伝えするときには、漫画との相性も非常によく、有効に使える手段である。

今の時代商品さえ並べておけば売れる時代ではない。「お客様の心を動かすには商品ではなく物語(ストーリー)を売れ」でも説明しているが、お客様の”欲しい”気持ちを刺激するには、商品の背景となるストーリーを語るのがよい。例えばそのアイテムが生まれたきっかけになった出来事や、商品が店頭に並ぶまでの開発秘話など。

こうした物語は、テキストベースで語ることもできるが、どうしても長文になってしまいがちで、取っつきにくくなってしまう。ネット上を徘徊しているユーザーは意外と忙しく、探し求めていたものではないコンテンツを消化するために、そんなに長い時間はとってくれないもの。しかしそこを漫画にすることで、スムーズに話に入っていけるようになる。

 

LP(ランディングページ)の離脱率を低下

LP(ランディングページ)と言っても、ここで説明するのはリスティング広告の遷移先として用意する、専用のLPのこと。LPこそお金を払って広告リンクを踏んでもらっているため、中身を読まずに離脱されては非常にもったいない。

ネットショップとしてのランディングページ成功のコツは「コンバージョンを生むLP(ランディングページ)の7つの構成要素」にて説明しているが、これらの要素を漫画にすることで、離脱率は減り、コンバージョン率は上昇する。

LPを漫画化している企業は多いので、現在思ったような成果をLPで得られていないようなら、漫画を利用してみるのも一つの手だ。

 

漫画化するときのコツ

スタッフをキャラクター化する

ネットショップで使う漫画なら、スタッフをキャラクター化してみよう。ネット通販は顔の見えない取引になるため、お客様としてもどんなスタッフが運営しているのかを知ることができたら、ショップへの信頼度は高まる。

その時は冒頭にでも「始めまして、○○ショップ店長の山田です」などと自己紹介を挿入しておくことで、ユーザーをその世界に引き込むことができる。

 

ユーザーに合った絵のタッチを

絵のタッチは漫画家によってそれぞれ個性があり、可愛くデフォルメされたタッチを得意とする者もいれば、スタイリッシュなタッチを得意とする者もいる。そこで大切なのは、ユーザーの質と漫画の絵のタッチがマッチしているかどうか。

もし10代女性をターゲットにした通販サイトなら、可愛い系の絵を描ける漫画家に依頼するべきだし、30代男性向けの通販サイトなら、リアルなタッチで絵を描ける漫画化に依頼するのがよいだろう。

ただし乳幼児向けのアイテムであれば、購入するのは大人だとしても、リアルなタッチよりもデフォルメされたタッチの方が効果が出るだろう。どの漫画家に依頼するのかは、ユーザーの質と商品コンセプトを確認しながら吟味していこう。

 

漫画のデメリットは費用がかかること

ページ滞在時間やコンバージョン率の上昇に効果的な漫画コンテンツだが、デメリットとしては制作を依頼するのに費用が掛かるということ。もしスタッフの中に漫画を描くのが得意な人間がいればよいのだが、多くの場合はそんなラッキーなことはないだろう。

そうすると、どうしても漫画制作を外部に委託しなければならない。もちろん制作を依頼すれば費用がかかる。

ただし漫画制作といっても、週刊誌で活躍しているような著名な漫画家に依頼するわけではない(依頼できないわけではないが、制作費用も非常に高くなる)。漫画を描くことを仕事にしているが、まだまだ下積みという漫画家は多く、そうした漫画家とパートナーとなって制作を請け負っている企業が存在する。

そうした漫画制作会社なら、1ページ当たり数万円の単価で発注することができる。もし質よりも費用を優先したいのであれば、クラウドワークスのようなクラウドソーシングサービスを利用するとよい。

 

制作費とのバランスを考えよう

漫画制作には費用がかかるものであり、商品の売上げから漫画制作費を回収することも考えなくてはいけない。そのためなんでもかんでも漫画にするわけではなく、自店の目玉商品にだけ漫画ページを用意するとか、長年使っていくLPは漫画化をするなど、切り分けが必要になる。

 

おわりに 伸ばしたいページを漫画化する

漫画化によってもたらされる恩恵は、ページ滞在時間やCV率の向上、直帰率の低下など、ネットショップ運営者にとってはどれも嬉しいもの。普段からあの手この手を使ってもなかなか改善されなかったことも、漫画化で解決してしまうことだってある。

ただし制作にかかるコストも意識しながら、恒久的に使用できるようなコンテンツや、今売上を伸ばしていきたい商品に絞って、漫画コンテンツを導入していくとよいだろう。たかが漫画だと思わずに、まずは商品の魅力をお伝えしたいとお考えなら、漫画という手も検討していきたい。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!