サイトのメインカラーを決める際に役立つ色の印象について

ECサイトを作成する際に意識してほしいのは、色が与える印象やイメージです。サイトのメインカラーは好き嫌いで選んではいけません。色が人に与える印象はそれぞれのカラーによって異なりますので、メインカラーを変えただけで売上増につながったという話もあるぐらいです。

だからメインカラーは、サイトコンセプトやお客様の層に合わせてなど、しかるべき理由の上で決めるようにしましょう。

 

色が人に与える印象

それでは、それぞれの色が人に対してどのような印象を与えるのか、見ていきましょう。

 

赤は情熱的でエネルギーを感じる色。また購買意欲を刺激する色でもありますので、セールの文字には赤を使用することが多い。逆に言えば、あまりに赤を多用しすぎると少々安っぽいイメージを与えてしまうことも…そうした場合は少しピンクっぽくしたり、オレンジがかった赤色にするとよいでしょう。

また信号機の止まれにも使用される色で、人の注意をひく色であります。勉強でも特に注意して覚えたところは、赤のボールペンを使って書きますよね。そのため商品を値下げしたときの価格や、絶対に見てもらいたい文言など、部分的に赤を使用するのは非常に効果的。

安さをウリにしたい場合や、作り手の情熱を伝えるサイトにしたい場合は、サイトのメインカラーとして赤を選択するのもありです。

 

青は冷静や信頼を表現できるカラー。

信頼感を与えますので、企業のコーポレートカラーとして利用されることが多い色。また海や空のイメージもありますので、マリン系のグッズを扱っているサイトでも相性がよい。その場合はもう少しライトなブルーにすることが多いでしょうか。

ただし食品を扱っているサイトでは絶対に使用しないでください。青色は食欲を減退させる色と言われていますので、食品系のサイトに使用すれば、せっかくの商品も全く魅力が伝わらなくなってしまいます。
逆にダイエットを提唱するショップでは、テーブルクロスやティーカップなどにブルーを使用したアイテムを揃えることで、青の持つ食欲減退効果を上手に活用できる可能性もあります。

 

黄色は活発さを表現し、元気が出る色。

栄養サプリメントを販売するサイトでは、相性よく使える色ではないでしょうか。キッズ・ベビー用品を扱っているショップでも、効果的に黄色を使うことができます。乳幼児用のアイテムは黄色を使った商品が多いですから。

また黄色には注意を促す効果も持ち合わせています。工事の看板でも黄色が使われていますよね。
ただしウェブサイトの場合、背景色は白や薄いグレーがほとんどですので、文字の色自体を黄色にしてしまうと、非常に見づらくなってしまいます。ですので文字色に使うのではなく、アイコンやロゴなどに使用するようにしましょう。

 

緑色には調和やリラックスを与える効果があります。

森林浴という言葉があるように、緑が生い茂る山の中でリラックス効果を得られるというのも、緑というカラーが持つ効用の一つ。そのためヘルスケアグッズなどを取り扱っているネットショップでは、サイトのメインカラーに緑をチョイスするのもあり。

また植物関係を扱っている商店や、エコやロハスを前面に出したい場合にも緑を使うとよいでしょう。クリーンなイメージがあるので、地球環境にも優しい印象を抱きます。

 

黒は高級感やダークな印象を与えます。

ブランドイメージを高く保ちたいのであれば効果的に使える色。高価格帯の商品を扱っている場合には、黒の持つイメージを利用していきましょう。職人が作る伝統工芸品や、ブランド戦略を重視しているショップにはおすすめ。
またアパレル関係ではカートボタンに黒を選択しているショップが多いです。

そして黒にはダークな一面もありますので、ヴィジュアル系グッズの販売などの、ダークな世界観を表現したい際にもぴったりです。

 

どんな色にも染まらない白は、清潔感や正義感を表してくれる色。

石けんや洗剤、医療関係など清潔感がポイントになる商品を扱っているサイトであれば、白をメインカラーとして設定しましょう。

ただし、たいていのウェブサイトの背景は薄いグレー、もしくはホワイトのため、白を強調しつつ個性を表現するには使いどころが少々難しいカラーでもあります。使い方次第では、シンプル過ぎて個性のないページになってしまいがちなので要注意。

 

ピンク

ピンクは優しさや女性らしさを感じることができる色。

女性向けのファッションブランドにはピンクが用いられていることも多く、ショップのターゲット層を女性に限っているなら、ピンクをサイトのメインカラーにするのも良いでしょう。

ただし女性は男性と比較して色を識別する能力が優れていますので、男性にとっては同じピンクでも、女性にとっては好感のもてるピンクや嫌悪感のあるピンクなど、さまざまなピンクがあるようです。そのためメインカラーを決める際には、女性の意見を参考にしてください。

 

紫は高貴さを与えるとともに、精神的に不安定な人が好む色でもあります。
かつて聖徳太子が定めた冠位十二階でも、最も位の高い者が身につける色が紫だったようです。

念珠や開運グッズなどのスピリチュアルなアイテムを取り扱っているショップであれば、紫をメインカラーとして設定するのがよいでしょう。また紫は暴走族が好む色とも言われていますので、不良グッズを扱っている店でも使えるかもしれません。

 

オレンジ

温かみや活発さといった印象を与えるオレンジ。

青色とは逆に食欲を増進させる力がありますので、食品関係のショップでは効果的にお使いいただけます。オレンジはプラスのイメージを与えることが多いですので、どのようなジャンルのサイトでも違和感なく利用できる希少な色。

 

おわりに

大手企業のサイトを見てみると、企業のブランディングやプロモーションのために、しっかりとどんな色を使用すべきかを考えた上で、メインカラーを定めているかが分かると思います。

ある程度ウェブサイトのPVが上がってきたら、メインカラーを変更することによって、ページの滞在時間やコンバージョン率がどのように変化するのかを計測してみる、というのも試してみる価値はありそうです。

サイトのメインカラー一つとっても、しっかりとした理由のもとに設定するようにしましょう。


【著者からの一言】

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鍵谷 隆 -KAGIYA TAKASHI-

当記事は2016年ごろ、私がECサイトのコンサル経営をしていた時期にまとめたノウハウ集だ。そのため外部サイトへのリンクが切れていたり、Googleや各種ASPなどの外部システムの仕様変更などで状況が変わっている可能性があることだけは了承してくれ!

ただ商いの本質は変わることはない。ネットショップ運営でお困りの経営者や担当者なら、当サイトの記事も必ず役に立つはずだ。全てのEC関係者に幸あれ。検討を祈る!